ヨルダン:アンマンで国際ジャズフェスティバルが開催
2016年04月28日付 al-Hayat 紙


■「アンマン・ジャズ」フェスティバルは聴衆に「シュクラン・ジャーズィーラン」と言う

【アンマン:ガイダー・サーリム】

ヨルダンの首都アンマンでは来週日曜まで、2016年「アンマン・ジャズ」フェスティバルが開催され、ドイツやオランダ、エジプト、レバノンのグループが地元ヨルダンとともに参加する。

手始めにエジプトからの楽団が、「シュクラン・ジャーズィーラン〔訳者注:ジャズィーランとジャズ(アラビア語ではジャーズと母音を伸ばす)を掛けた言葉遊びで、「ジャズよ本当にありがとう」くらいの意味〕という題名の芸術作品を披露した。これは、アラブ音楽を西洋音楽に取り込みつつ、ジャズの特徴を損なわないようにしたものである。この「ラーミー・アターッラー」楽団が演奏するあらゆる楽曲において、初めと終わりは必ずピアノでなければならない。アラブ的なリズムは、ジャズの本来的な姿を保つため、徐々に軽くなっていく。

同楽団の創設者であるラーミー・アターッラーは、「守護されしもの〔訳者注:カイロ〕」の題名が付けられた楽曲の中でピアノをしばし自由に奏でさせた後、ウード〔訳者注:アラブの撥弦楽器〕の音を入れた。それらは、エジプトでの生活やその雰囲気、静けさと喧騒、悲しみと喜びを象徴するのだ。

エジプトの物語が終わったあとは、「メロディー」という題名の楽曲が演奏され、聴衆をフランスの雰囲気の中へ引き連れていった。それはとくに、楽団が「メロディカ」をピアノとともに用いたときに強く感じられた。「人生に関わるすべてのこと」という楽曲は、その旋律の中に悲しみと喜びの入り混じりを表現し、この〔フェスティバルの〕夕べに加わった聴衆を、ブラジルのサンバの踊りや、内省と平穏の状態への旅路に誘い出した。この夕べの集まりを締めくくった「不眠」という楽曲でも同様であった。

「シュクラン・ジャーズィーラン」の夕べは、ラーミー・アターッラーの編曲とその楽団による音楽アルバムの表現の一つであり、それは2011年の楽団結成以来、初のものである。アルバムを作るというアイディアは、ラーミーがある音楽プロジェクトの提案を決めた後に出てきた。そのプロジェクトは、1920年代以降エジプトにおける音楽レベルの下落が続いているという学術研究に触発されて、一般のエジプト人の音楽的感性を発展させることを目的としている。

ラーミーは本紙に対し、音楽を通じて、ヨーロッパやアメリカの聴衆とアラブの聴衆の間に橋を架けていくというもう一つの目的があることを述べた。さらに、彼の楽団はドイツ南部のミュンヘンで開かれるフェスティバルに呼ばれており、この招待は楽団にとって初の海外進出の意味を持つことを付言した。

(後略)

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( 翻訳者:柴田まり菜 )
( 記事ID:40344 )