シリア:シリア人からの臓器買取が横行
2016年05月16日付 al-Hayat 紙

■生きるために―少なくとも1万8千人のシリア人が臓器を売る

【ドバイ:本紙】

「ダマスカス大学」法医学科の学科長で、「法医学総合委員会会長」のフサイン・ナウファル氏が述べたところによると「臓器売買がこの4年間でシリア人約1万8千人に及んだ」という。また同学科長は「これらの手術の多くはレバノン、トルコなどのシリア近隣諸国の難民キャンプで行われた」と付言した。

同学科長の発言は「ニュース・ディープリー」のサイトで公開された徹底調査のなかで述べられた。「インターナショナル・メディア・サポート」の協力で行われた同調査が解明したところによると「シリア紛争勃発以降、臓器摘出手術が約2万回行われた。その多くは国の監視の及ばない国境地帯で行われた」という。

臓器価格は国ごとに異なる。トルコでは腎臓ひとつにつき1万米ドルに達する一方、イラクでは1千米ドルに満たない。他方レバノンとシリアについては、腎臓は3千米ドルで購入される。

臓器取引には腎臓だけでなく、脾臓と角膜も含まれる。角膜の価格はひとつにつき7千5百ドルに達することもあった。爆撃下や難民キャンプで身を潜めるシリア人の勧誘は、「臓器提供」という名目の広告を介して行われている。つまり、ほとんどの法律、特にシリア領内ではこの種の臓器提供が合法化されており、それゆえ法的に追及することができないのである。

自身の仕事の特質に因んで「腫瘍(はれもの)」とだけ名乗り、匿名を希望したある医師は「多くの命を救うために必要な薬剤や設備が購入できると誘惑することによって、同僚たちをそのような手術に加担させようと説得を試みる医師もいる」と述べた。

(後略)

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( 翻訳者:長谷川健司、本田美紅、石井泉 )
( 記事ID:40468 )