レバノン:国連は早期の大統領選を求める
2016年05月26日付 al-Hayat 紙

■安保理はレバノン大統領不在に対し強い懸念を表明

【ベイルート:本紙】

国連安全保障理事会は、「2年間続くレバノン大統領の不在と、これが招いた内閣機能の制限、これにより国民議会が可決された法案を公布することができない事態に対して、極めて強い表現により、深い」懸念を表明した。同理事会は、昨日の声明の中で、「大統領不在とそこから生じた政治的麻痺は、同国が直面している治安・経済・社会・人道分野での高まる脅威に対処する力を深刻なまでに弱めている」と述べた。あわせて、安保理加盟国が「レバノン議会が定足数の確保と大統領の選出に繰り返し失敗していることに対し、懸念を抱いている」ことを指摘した。また、同理事会は、「レバノン指導部に対し、責任と柔軟性をもって、臨時国会の招集と大統領選挙の開始を行うよう」呼びかけた。

潘基文国連事務総長は、レバノンの大統領不在がこの日で3年目に入ったことについて遺憾の意を示した。事務総長報道官は、「レバノンで地方選挙が実施されており、来る日曜日に完了する見通しであること」を事務総長が歓迎していることを述べつつ、「この選挙は、同国が民主主義の伝統に忠実に従っていることの証明であり、レバノン国民が全階層から一人の代表者を選ぶことができることに対する新たな証拠となるだろう。だが、レバノンの諸政党が大統領選出に今後も失敗を重ねることへの懸念はいまだ消えていない」と述べた。

さらに、こうした立場は事務総長がレバノン訪問中に繰り返し表明してきたものであると指摘し、「大統領不在が続くかぎり、国民統合とレバノンの地位は脆弱かつ不完全なままである」と改めて警鐘を鳴らした。潘事務総長はレバノンの全指導部に対して、「これ以上遅れることなく、同国の憲法に則って、大統領を選出するために責任をもって行動する」ことを再度要請した。

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( 翻訳者:高寺葵 )
( 記事ID:40561 )