パレスチナ:イスラエル占領当局と遺族ら、少年殺害に関して相反する主張
2016年06月22日付 al-Hayat 紙


■イスラエル占領当局はパレスチナ人少年殺害は過失であると決定したが、遺族は意図的な殺害であると主張

【ラーマッラー:本紙】

イスラエル軍は昨日(6月21日)未明、少年たちを乗せたパレスチナ人車両に向けて発砲し、マフムード・バドラーン少年(15歳)が殺害され、他の5人が負傷した。事件後、車両への発砲は意図的ではなかったとする軍の発表に対して、ヨルダン川西岸中部のラーマッラー市近郊のバイト・ウール・タフター村に住むバドラーン少年の遺族は、イスラエル兵士たちはパレスチナ人を見さかいなく殺害する意図で故意に同車両に発砲したと語った。

バイト・ウール村議会議長のワジーフ・アフマド氏によると、兵士たちは、村へ帰る途中の少年たちを乗せた車両に、何の嫌疑もなしに発砲したという。同氏は続けて「兵士たちがその場所を通るパレスチナ人なら誰でもよいから殺害したがっていたことは明らかであり、この少年が犠牲となったのだ」と述べた。また、殺害された少年の父親は政治犯としてイスラエルの刑務所で15年の服役を終えて釈放されたばかりである点にも触れた。

イスラエル軍の最初の発表では、国道443号線を通過中の軍偵察隊とユダヤ人入植者の一団に少年集団が投石を加え、そのあと少年たちへの発砲があったとなっていた。しかし、パレスチナ人車両は直接軍の発砲を受けたとする複数の証言があらわれるにおよんで、軍は当初の発表内容を一転させた。軍はあらたな発表において、投石者たちへの発砲がなされている中で銃弾が誤って車両に当たったことを示唆しながら、イスラエル兵士たちはおそらく誤って少年を殺害したのだろうと述べた。

一方イスラエルのメディアは、取材を通じて軍の主張を以下のように報じた。「実施された調査が明らかにしたところでは、少年が乗っていた車は石がころがり地面にオイルのシミがついている場所の近くに位置していた。そのためイスラエル兵たちは、運ばれてきたオイルを車から故意に地面にこぼすことによって通過する車両を次々とスリップさせて道路外へ飛び出させようと狙っていると受け止め、車内にいた少年を殺害した。」

他方、ヨルダン川西岸北部のト-ルカレム市近郊のヌール・シャムス難民キャンプでは、難民キャンプ内に突入してきたイスラエル占領軍と衝突したパレスチナ人青年のうちの3人が軍の銃撃に倒れた。西岸北部のフッジャ村では、今年3月イスラエル国内のヤーファ市でイスラエル市民刺殺傷事件を起こして射殺され、シャヒード(殉教者)と讃えられている故ヒサーム・ムサーリハ氏一家の住宅がイスラエル軍によって爆破された。

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( 翻訳者:栗原利枝 )
( 記事ID:40727 )