イラク:「人民動員隊」へのバグダード治安確保要請、宗派間対立再燃の懸念増大
2016年07月06日付 al-Quds al-Arabi 紙


■「人民動員隊」へのバグダード安全確保の要請を受け、宗派間対立再燃の懸念増大

【バグダード:本紙】

カッラーダ地区における複数の爆発―「イスラーム国」が少なくとも213人殺害し、現代イラク史上最大とされる事件―に対する反応の一つとして、イラク諜報機関はテロに関与した全ての集団を逮捕すると発表した。これに伴い、罪状が特定されないままテロ犯罪の有罪人に対する死刑実施が発表された。

一方、シーア派諸勢力や諸政党は、解放された地区の住民らが首都バグダードに入ることを禁じるよう、また人民動員隊に治安問題を委託するよう呼びかけた。同様に、イラク法務省は同省の刑務所においてテロ犯罪者の死刑執行キャンペーンを実施した。

イラク法務省の声明は以下のように伝えた。「我々は、この由々しき惨事により亡くなったイラク人と、殉教者らの遺族に哀悼の意を表す。そして、人民に恐怖を与えようとそそのかし、人民の子供たちを傷づけた全ての者に、公正なキサース刑(報復刑)を執行すると彼らに約束する。」

同声明は、「最近発表が行なわれたことに加え、近いうちにテロ対応法の一環として犯罪者集団に対する死刑執行が発表されること」を予期するものであった。

イラクのハイダル・ザミーリー法務大臣は一昨日(4日)、近日行われた複数回の死刑執行に加え、新たに5人の死刑を執行したと明言した。これにより、2ヵ月間で計37人の死刑が執行されることになる。

「イスラーム美徳党」党首である同大臣は、以下のように強調した。「法務省は、圧力や言い立てには屈せず、特定の指図を待つことも無い。大統領の同意と検察官の承認を受けてテロリストの死刑を執行するのみである」。

さらに、同大臣は「人権を掲げて死刑停止の呼びかけをし、罪なき犠牲者らの権利については忘れたふりをする政治的・国際的圧力を法務省は拒否する」と断言した。

法務省の声明によると、イラクの刑務所、特にナースリーヤ刑務所には、テロ犯罪の有罪判決を受けた者を含めて約3000人の死刑囚が存在する。同死刑囚らは、死刑の最終判決を受けているが、未だ死刑は執行されていない。

(後略)

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( 翻訳者:栗原利枝 )
( 記事ID:40810 )