エジプト:トルコの事態を受け対策本部を設置、一方安保理決議の妨害を否定
2016年07月17日付 Al-Ahram 紙


■エジプト:トルコの事態を受け対策本部を設置、一方安保理決議の妨害を否定

トルコにいるエジプト人を支援するため外務省は危機対策本部を設置。・エジプトはトルコでの事件を非難する安全保障理事会決議を妨害したことを否定

【サーミー・カムハーウィー】

領事担当外務大臣補佐ヒシャーム・ナキーブ氏は、トルコで諸々の事件が起きた直後から、トルコに在留するエジプト人を安心させるため、在アンカラ・エジプト事業を担当するワーイル・ナッガール大使及び在イスタンブールのバッサーム・ラーディー・エジプト領事の両名と継続的に直接連絡を取っていることを強調した。また同氏は、これまでに入手した報道に鑑みて、今回の事件による在留エジプト人に負傷者や被害は出ていない旨、強調した。

またナキーブ氏は次のように述べた。「アンカラの大使館とイスタンブールの総領事館はそれぞれ、エジプト人居住地区の状況をつぶさにフォローアップしている。非常事態に対応し現地に滞在するエジプト人から要求される支援を提供するために、両館と外務省間の調整により危機対策本部が設置された。またエジプト人から必要な援助の提供や相談の連絡を多数受けた。」


エジプトはトルコでの事件を糾弾する安全保障理事会の決議を妨害したことを否定

外務省報道官のアフマド・アブー・ザイド顧問は以下のように述べた。「今回のトルコの事件を非難する安全保障理事会が決議を発出するのをエジプトが妨害した旨を報道機関が伝えたが、それは正しくない。」また同氏は、安全保障理事会が決議ではなく報道声明をしようとしており、仮に決定だったとしても、理事国の15カ国がこれに合意しなければならないと言明した。

アブー・ザイド氏は昨日(16日)テレビ番組に電話で出演し、次のように指摘した。「エジプトは安保理から発出が提案された報道声明の要旨に反対はしていないものの、文言の一部に若干の修正する旨を提示した。またエジプトは、これまで提案した修正案に対する積極的な対応がなかったこと、声明の発出をエジプトが妨害していると主張することは奇妙であるとした。」

エジプトから提案された変更の内容に関して、昨日(16日)外務省は声明の中で以下のように述べた。安保理から発出が提案された報道声明は主に三つの要素を含んでいる。第1に、安保理がトルコでの事態の進捗に深い懸念を抱いていると表明すること。第2に、安保理がトルコの不安定な状況と暴力を糾弾し、この危機を終結させる重要性を強調すること。第3に、安保理が全ての当事者に対して、トルコにおいて民主的に選ばれた政府を尊重し、自主規制、暴力の回避を呼びかけることである。

エジプトは、トルコで民主的に選出された政府を尊重するという表現を、民主主義、立憲主義、法の統治の原則を尊重することを求めるという表現へ交換することを提案した。また報道声明の骨子に触れない程度のささやかな修正を要求しているにもかかわらず、いくつかの主体が、先述の意味や内容を以て報道声明を発出するのを妨害する責任をエジプトになすりつけるのは非常に奇妙であると外務省の声明は指摘した。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をMHTファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:川満友梨映 )
( 記事ID:40897 )