シリア:ダーイシュが籠城を続けるマンビジュ市郊外に対する米主導の有志連合の空爆で民間人90人が死亡
2016年07月20日付 al-Quds al-Arabi 紙

■有志連合はマンビジュ郊外での虐殺で民間人90人を殺害:英国はアサド大統領による都市包囲を拒否、「西側は彼の退陣で合意している」と主張

【アレッポ:本紙バドル・フサイン記者】


米軍主導の有志連合は昨日火曜日朝、航空機によってマンビジュ市(アレッポ県)北東部のトゥーハール村の住民を虐殺、その犠牲者数は90人に及んだ。犠牲者のほとんどは子供と女性。

マンビジュ市の複数の活動家によると、有志連合は昨日朝、ダーイシュ(イスラーム国)とシリア民主軍(西クルディスタン移行期民政局人民防衛部隊が主導する武装連合組織)の戦闘がトゥーハール村一帯に及んだのを受け、同地を重点的に空爆した。

メディア活動家を名のるアフマド・ムハンマド氏によると、空爆による死者は約90人に達し、そのほとんどが家族ごと犠牲になったという。犠牲者数の記録によると、ハッジ・ムーヤルド・ザギール家は5人、ビカール・ラマダーン家は8人、スライマーン・ザーヒル家は5人、ハサン・イブラーヒーム家は6人、アフマド・イブラーヒーム・ウースィー家は2人、マフムード・アブド・ラフマーン家は8人、イミールド・マワース家は7人、アブド・マワース一家は15人と、家族全員が死亡している。

ムハンマド氏によると、カルダグリー家、ラジャブ・カースー家など一家全員が死亡した複数の家族が依然として犠牲者として記録されていないという。一方、村の住民は、国際社会が沈黙を続けるなか、有志連合が行った虐殺への恐怖でパニック状態に苛まれているという。なお、空爆に先立って、村人は近隣の村々に向かって非難を行っていた。

一方、ジャーナリストを名のるジャースィム・サイイド氏によると、「マンビジュ市では約20万人が50日にわたって完全包囲され、狭い空間に押し込められ、水道電気、食料がないなかでの生活を余儀なくされており、最低限の生活必需品を欠いた筆舌に尽くしがたい人道状況にある」という。また住民は市内の病院が機能を停止し、また医薬品が欠如するなかで、困難な衛生環境に苦しんでいるという。

サイイド氏はまた、「市内での避難を余儀なくされた住民数千人は、住む家がないまま、公園で暮らす一方、シリア民主軍が墓地に指定した公園内では、犠牲者が埋葬されている。また住民が恐怖から逃れようとしても、空爆、狙撃、そして地雷が待っている。マンビジュ市内だけの戦闘で、現在までに300人もの民間人の死亡が記録されている」と述べた。

他方、英国のボリス・ジョンソン新外務大臣は、シリアの現状に関して「衝撃的だ」としたうえで、シリアのバッシャール・アサド大統領退陣を求める姿勢を改めて示した。そのうえですべての西側諸国がこのことで合意していると述べた。

ジョンソン外務大臣は、シリア全土が人道危機に直面しており、アサドが都市を包囲し、飢餓に追い込んでいる状況を拒否すべきだと主張するとともに、ロシアに対し、アサド政権に影響力を行使し、殺戮を止めさせるよう求めた。

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( 翻訳者:青山弘之 )
( 記事ID:40917 )