トルコ:クーデターに対するアラブ世界と世界各国の奇妙な態度(2)
2016年07月19日付 al-Quds al-Arabi 紙


■トルコ:トルコのクーデターに対するアラブ世界と世界各国の奇妙な態度(2)

【社説】

世界的には、〔クーデターに対する〕態度が注視された〔国々の〕中で最も重要なのは、アメリカ大統領であるバラク・オバマ政権がどのような立場をとるかということであった。オバマ大統領は民主主義を選択したトルコ政府を支持することを宣言し、その後すぐに法治主義の堅持を求めることを重ねて明言した。特筆すべきは、フェトフッラー・ギュレン師の引き渡しに関するトルコ政府からの正式な要請に関する、ジョン・ケリー米国務長官の声明である。トルコ政府はギュレン師を、同政府が「平行国家」と呼ぶところの組織を指導しているとして非難している。ケリー氏は公式な形での要請があれば、それについて判断を下すと述べた。

ヨーロッパ〔諸国のクーデターに対する態度〕については、三つの傾向が顕著であった。フランク・シュタインマイヤー独外相は「トルコの民主主義の目覚め」と形容した。一方、フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表はトルコ政府に対し、「法治主義の堅持」を強く訴えた。そして三つ目の傾向とは、フランスに代表されるものである。ジャン・マルク・エロー仏外相は声明で、今回のクーデターはエルドアンに対して「ブランクチェック(訳注:無記名の小切手)を与えることはない。」と強調した。それ以上に奇妙なのは、仏外相が、トルコの「イスラーム国」と対峙する役割について疑念があると述べたことである。これは恐らくフランスが経験した血みどろの暴行によるものであると解釈できるが、それにしてもこの声明はフランスの大変なナルシシズムを表すものである。彼らが気にかけているのはトルコ国家の存続そのものではなく、あるいは民主主義体制を守ることでもない。むしろ数日間にわたり停滞してしまった「イスラーム国」に対する攻撃の継続こそ彼らの気にかけているものであるという彼らの尊大さを示したと言える。なぜなら、トルコ自身が脅迫されていたからだ!

おそらく、世界各国およびアラブ諸国の態度から引き出すことができる最も重要な教訓はこうだ。世界は真実や民主主義やその後の民衆の運命など目もくれず、勝者の側につく。

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( 翻訳者:阿部光太郎 )
( 記事ID:40921 )