ヨルダン:ヨルダンの活動家、ヨルダン公立高校試験でベドウィン(遊牧民)生徒合格者の比率引き下げでイスラエル治安強化を図る由々しき事態を訴える
2016年08月03日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ヨルダン:ヨルダンの活動家、ヨルダン公立高校試験でのベドウィン(遊牧民)生徒合格者比率を引き下げてイスラエル治安強化を図る由々しき事態を訴える

【アンマン、本紙】

ヨルダンのベドウィン住民の政治活動家として有名な人物が、ヨルダン文部省は、イスラエルのヨルダン王国軍兵員を大幅増強せよとの強い要請のもとで、公立高校卒業試験合格者数を減らしていると警告した。

活動家のムハンマド・ハラフ・アルハディード氏は、アル・クドゥス紙支局へ宛てた私信の中で、ヨルダン文部大臣のムハンマド・ズナイバート博士の政策について触れ、大臣が公立高校試験において意図的に合格者数を減らすのを目指して、難解な設問や授業範囲を超えた出題からなる問題用紙を配布するとともに受験生が答案を訂正するのを制限するというような前代未聞の形で試験を実施したと批判した。

文部大臣のこの施策のねらいは、ハディード氏の見解によれば、高校の生徒たちを集団で駆りたてて軍役につかせ、イスラエルの治安強化にあてることにある。

一方でハディード氏は、高校生に対するそのような試験の実施は、ヨルダン国内外にいるヨルダン国民間の差別政策にも通じると批判した。

また同氏はこう述べた。「ヨルダン公安局が高校生の徴兵に取り組み始めており、公立高校卒業試験で不合格とされた中から、心情的に宗教無関心派であるとともに徴兵年齢に達している者を選び出した末に、3万7726人の高校生を既に兵隊として確保済みである。」

さらに同氏は以下のように付け加えた。「シオニズムに奉仕するこの文部政策の最大の犠牲者は、ヨルダンの北部・中部・南部に存在するヨルダン国民中のベドウィン(遊牧民)住民である。マフラク県内にある60校によって『県内の全学校を通じて、卒業試験に合格した者はひとりもいない』ことが発表されたが、その意味するところは、これらの学校では新学期に際して多くの教師が不足しており、特に科学科目の教員の不足が著しいということであり、さらに言えば、ヨルダン軍隊においてベドウィン子弟を代表するベドウィンの将校や軍高官が将来一人でも現れるなどはありえないということなのだ。」

(後略)

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( 翻訳者:兵頭輝夏 )
( 記事ID:40988 )