ダーイシュ、監獄、学校、モスクの児童を徴兵。児童を被害者から加害者へ②
2016年06月17日付 al-Hayat 紙


■ダーイシュは刑務所や学校、モスクから子どもを徴用し……犠牲者から殺人者に変えた

※この記事は、以前に冒頭部分を訳出した記事の続きです。(前回記事⇒http://www.el.tufs.ac.jp/prmeis/html/pc/News20160630_190137.html)

【モスル:ムハンマド・アワード】

〔モスル市西部の〕マターヒン地区で行われたサーリムの葬儀の席では、少年の遺影が飾られ、「ジハードと殉教」にまつわる彼の最後の話が遺族や親戚、友人たちの心を占めていた。それらが彼が遺したものすべてであった。なぜなら、サラーフッディーン県のBG製油所で爆破物を積んだ車による自爆攻撃を実行したとき、彼の身体はバラバラに飛び散ってしまったからだ。

葬儀に出席していた隣人の男性によれば、サーリムは、死の2週間前に、自爆攻撃実行者を選ぶ抽選で自身の名前が出たことを喜び、地区内で「スジュク」〔訳者注:一般的には肉を詰めたソーセージを意味するが、ここではソーセージ形の菓子のこと〕を配っていた。「私たちは、彼が自慢しているだけで、本当に自爆攻撃をするとは思っていなかった。」

この少年は、2014年6月に「イスラーム国」組織〔IS〕がニーナワー県およびその中心都市モスルの支配を奪い、シリアとの西部国境を廃止して以来、戦争に役立てるため、独自の方法で利用してきた数千の少年のひとりである。

BGやティクリート、ニーナワー平野、キルクーク郊外での戦闘においては、ラマーディーやアンバール県各地での戦闘や最近のファルージャでの戦闘と同様、ISは数百人の自爆攻撃を用いて、ペシャメルガやイラク軍、義勇軍「人民動員」の諸部隊を突破し、その進撃を食い止めようとしてきた。

(つづく)

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( 翻訳者:田中大輔 )
( 記事ID:41021 )