ダーイシュ、監獄、学校、モスクの児童を徴兵。児童を被害者から加害者へ④
2016年06月17日付 al-Hayat 紙


■ダーイシュは刑務所や学校、モスクから子どもを徴用し……犠牲者から殺人者に変えた④

【モスル:ムハンマド・アワード】

※この記事は、以前に三つに分けて訳出したものの続きです。

■疑いを強め、冒涜を勧める学習

〔モスル西部のモスクで教師を務めていた〕ジャブーリー氏が明らかにしたところによれば、「カリフ制の子獅子」計画の第一歩は、宗教的中心に押さえるところから始まった。ISはすでに、宗教指導者や説教師を拘束する広範なキャンペーンを行い、その数は数百名に及んでいる。なかでも、イラク・イスラーム党(ムスリム同胞団運動の一部)に近しい者が狙われている。同氏によれば、「彼らはかつて政治の重要なポストの大部分を占めており、それゆえに、子ども向けの宗教学習クラスも支配していたから」という。

「ファイバー」〔訳者注:インターネットによる通話アプリケーション〕を通じて話をするこの男〔ジャブーリー氏〕は、かつて起きた危機に言及した。すなわち、ニーナワー県は大小合わせたモスクの数の点で、イラクにおける宗教的首座を占めており、公式に登録されているものは2217ある。ここで同氏は問いかけた。「いったいどうしたら情報省や初等教育省が、2千あるモスクを押さえるよりも強い影響力を持つことができるだろうか?」

ジャブーリー氏は宗教諸学を8年に亘り学び、のちに教師となった。彼は約30人の児童のためのある本の解説の任に就いた後、自宅に残り、教育から退くことを決めた。隠遁の理由を明らかにしつつ、同氏は次のように述べた。「現行の学習カリキュラムは疑いを強め、冒涜を勧めるものだ。……これはイスラーム教徒全体に対する冒涜だ。」

ジャブーリー氏は、新しい宗教教育として語ったものの影響の一例として、次のように述べた。昨年の夏、総勢140人の少年たちが〔ジャブーリー氏が関わる〕ファトヒー・アルアリー・モスクの勉強会に参加したが、そのうち15人が武器の使用を訓練するためのキャンプに移されてしまった。そして彼らはダーイシュ〔IS〕に忠誠を誓い、その部隊の戦闘員になってしまったという。

同氏が確信するところによれば、〔IS/ダーイシュの〕最終目標は、児童を動員するだけでなく、「完全にダーイシュ的な社会を創造すること」にある。同氏はこう説明する。「彼ら〔IS〕は子どもたちを戦争や領土拡大に利用し、子どもたちに報酬と戦利品を与える。それは、子どもたちの家族すべてをISに関わらせ、ISの活動に巻き込ませるためだ。家族はISからの恩恵を享受し、復讐心と血をISと分け合うようになる。」

(後略)

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( 翻訳者:田中大輔 )
( 記事ID:41026 )