シリア:イラン国内の基地を離陸したロシアの戦略爆撃機がアレッポ市一帯などを空爆
2016年08月17日付 al-Hayat 紙


■ロシアの爆撃機が油田地帯に配備

【モスクワ、テヘラン、ワシントン:ラーイド・ジブル、ムハンマド・サーリフ・スィドキヤーン、ジュワイス・カラム】

ロシア軍の長距離爆撃機が昨日、イラン国内の軍事基地を離陸し、シリア北部の複数カ所を初めて空爆し、アレッポ市ラームーサ地区のイスラーム過激派拠点複数カ所が標的となった。ロシア政府の発表によると、イランの油田地帯にあるハムダーン航空基地に戦略爆撃機が展開し、シリアでの空爆に向かうための拠点として同基地の使用を開始した。またロシアの複数の軍高官や議員は、「重要な転機であり、シリア、そして中東情勢に影響を及ぼすことになろう」と述べた。

ロシア軍の動きに対する米国の反応は、同国の複数の高官がAPに対して「この動きは深夜に迅速に行われた」とコメント、米・ロシア両国政府がこうした事態を想定して意見を交わしていたとしつつも、「ロシア政府の決断はあまりに突然だった」と述べた。

米軍の高官によると、ロシアは「作戦の数時間前に、Tu-22長距離爆撃機4機を、装備を積載した貨物機1機とともにイランの基地に配備した」という。また別の複数の高官によると、「米政府はロシアが数年前からイランに航空機を配備する可能性を承知していたが、火曜日(16日)の決断はあまりに突然だった」と付言した。

バグダードでは、米軍のクリストファー・ガーファー大佐(有志連合報道官)が記者団に対して「ロシアは我々にシリアやイラク領内の米軍機の近くを通過する旨通達している…。しかし、ロシアは、我々が十分な時間を確保できるほど余裕をもって事前通告してことはない」と述べた。

ロシアは、Tu-22長距離爆撃機とSu-34戦闘爆撃機複数機がハムダーンに展開したと発表した。その後、ロシア国防省は、同航空機がイラン領を離陸し、アレッポ県、イドリブ県、ダイル・ザウル県の複数カ所を空爆したと発表した。シリア人権監視団によると、「士官学校とアレッポ市東部を結ぶ回廊に位置するアレッポ市南西部のラームーサ地区に対するロシア軍機の空爆で、イスラーム過激派や反体制派のメンバー12人以上が死亡、また空爆は同市西部一帯に対しても行われた」。

(後略)

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( 翻訳者:青山弘之 )
( 記事ID:41070 )