シリア:トランプ次期アメリカ大統領の対シリア政策
2016年11月13日付 al-Hayat 紙

■トランプはアサドと休戦、ロシアを避ける

【ワシントン:ジョイス・クラム】

アメリカ次期大統領ドナルド・トランプ氏は、テロ組織「イスラーム国」撲滅のためシリアのバッシャール・アサド大統領との休戦交渉及びシリアにおけるロシアの敬遠を含む今後モデルとなる外交政策の様相を決定した。トランプ氏は16人(女性4人、男性12人)からなる移行チームの準備を続けている。トランプ氏はここ数ヶ月この準備を率いてきたニュージャージー州知事クリス・クリスティーに代わりマイク・ペンス次期副大統領をチームの議長に指名した。クリスティー氏は副議長になる予定だ。

トランプ氏はロシアのウラジーミル・プーチン大統領に対し寛容な姿勢を取り続けている。『ウォール・ストリート・ジャーナル紙』が報じたところによると、プーチン大統領は「とても素晴らしい電報」を送りトランプ氏の勝利を祝福し、中国の習近平主席を除いて世界の大多数の指導者たちがトランプ氏を祝福していると述べたという。
トランプ氏は、アサド政権に対する穏健な反体制派へのアメリカの支援について聞かれると、こう答えた。「シリアに関して、私にはいつも多くの人と異なる考えがある」とし、「シリアのアサド大統領を権力の座から退けることを優先する代わりに、シリアでの「イスラーム国」との戦いに最大限集中することを」提案した。

続けてトランプ氏は「私の立場はこうだ。あなたはシリアと戦っている。シリアは「イスラーム国」と戦っている。そしてあなたは「イスラーム国」を撲滅しなければならない。今、ロシアは完全にシリア側に立っている。シリア側についているイランは、我々を理由に影響力を高めており、イランはあなた側についている。我々はシリアの反体制派を援助しているが、誰が反体制派かについて全く考えを持ち合わせていない」と答えた。続けて「アメリカがアサド大統領を打撃するような状況になれば、我々はロシアやシリアと戦う現実に行き着くだろう」と述べた。

次期大統領はパレスチナ・イスラエル紛争を「終わりなき戦争」とし、「全人類のため、不可能な取引を成立させること」への決意を明らかにしたうえで「これは、最も偉大な取引だ」と付言した。

(後略)

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( 翻訳者:菅沼実祝 )
( 記事ID:41606 )