パレスチナ:パレスチナ青年を殺害したイスラエル兵士に無罪判決
2016年12月07日付 al-Quds al-Arabi 紙


■パレスチナ青年を射殺したイスラエル兵士に「無罪判決」が下る可能性は濃厚

【ラーマッラー:本紙】

イスラエル兵士ベン・ディリー側の弁護士ジオン・アミール氏によると、ディリー氏は検察と自身の過失だけを認める司法取引を行うだろうと発表した。ディリー氏は2014年にベツニアの分離壁で発生したデモの最中にパレスチナ人青年ナディーム・ナワーラを殺害した容疑で訴追された。

アミール氏とイスラエル兵士を弁護する組織HNNOによると、イスラエルは兵士に対する殺害の嫌疑と彼が意図的に実弾を銃に装填したことに関する訴えを取り下げる予定だという。

ディリー氏はゴム弾を発砲しただけのつもりであったと主張している。検察は起訴状から殺害に関する項目を削除し、この供述を認めるだろう。アミール氏は「ディリー氏は贔屓目にみても職務怠慢である。なぜなら、彼はゴム弾しか装填されてないはずだった弾倉に実弾が入っていないことを確認しなかったからだ」と主張した。警察の捜査部はこの事実を確認しておらず、この事件は法廷で審議中であり、我々は弁護士との交渉については検証していないと明らかにした。

起訴状によると、ディリー氏はオフェル軍事基地に配属された国境警備隊の指揮官であった。5月15日(ナクバの日*1)、ベツニアに旅団が派遣されてディリーと多くの兵士、軍事カメラマンはベツニアから検問所に至る通り上にある高所監視所に駐留した。警察が受けた指示によると、兵士によるデモ参加者へのゴム弾の発砲のみが想定されていた。

(後略)

*1. 訳者注:「大災厄」を意味し、パレスチナにとって1948年のイスラエル建国に伴う難民発生と虐殺を想起させる日。

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( 翻訳者:朝武絢奈 )
( 記事ID:41715 )