コラム:フランスでアラビア語は「テロの言葉」と化す(2)
2017年01月05日付 al-Hayat 紙

「コラム:フランスでアラビア語は「テロの言葉」と化す(1)」の続き)

この一連の流れの中で、フランス2は、昨年7月にナジャット・ヴァロー=ベルカセム国民教育・高等教育・研究大臣の決定を受けて起きた論争を再燃させるリポートを放送した。この決定とは、カリキュラムにアラビア語を導入するというもので、フランス国民戦線や一部の右派の怒りの的となった。そして彼らは、大臣がアラビア語のために学校における進学クラスでのフランス語の地位を壊そうとしている、という趣旨のキャンペーンを始めた。

この問題は、国会にまで浸透した。右派国会議員のアーニー・ジルフォール氏は、カリキュラムにアラビア語を導入することによって、国民統合が壊されると発言した。また、「我々のルーツを体現」している古代言語またはヨーロッパ諸語を重視することが最も適切であるとも述べた。

奇妙なのは、フランス2が、その文脈においてヴァロー=ベルカセム大臣が非難されたところの論争を再び持ち出したことである。同大臣は、宗派主義的なメンタリティを強化し、教育機関のフランス的特徴を破壊し、国民統合に対して新たな障害を置こうとしたと疑われた。

大臣は、アラビア語がイタリア語、スペイン語のように地中海言語で、海外進出を望んでいる個人や企業に対して新たな地平を拓くと述べ、その決定を擁護していた。また、アラビア語の授業は選択制であり、国民教育省に属していないアラビア語教育団体・組織を活用することに伴う家計の負担を軽減することをめざしていると強調した。

公式な統計によると、英語かドイツ語を学んでいる生徒数が95%占めているのに対して、アラビア語を学んでいる生徒数は1%未満である。反国民教育大臣キャンペーンは、フランスにおける移民の存在とテロの影響の拡がりに伴った亀裂を一層深めることを狙っていたことを意味している。また、この問題の再燃は、現在起きている緊迫したその論争の責任にメディアが無関係ではないということも意味する。

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( 翻訳者:下條実紘・堀江七夏子・増田瑞紀 )
( 記事ID:41902 )