モーリタニアのミステリー:再立候補したくない大統領!
2017年02月25日付 al-Quds al-Arabi紙

■モーリタニアのミステリー:再立候補したくない大統領!

【本紙】

本紙ヌクアショット特派員の本日(25日)のレポートによると、モーリタニアのムハンマド・ウルド・アブドゥルアズィーズ大統領は、テレビ・インタビューで「2018年の大統領選挙には立候補しない」と表明した。これは、スーダンのアブドッラフマーン・スワール・アッザハブ陸軍元帥を除けば、アラブの軍事政権において前代未聞の意義深い先例となる。同元帥は、1985年の民衆蜂起において、複数の政党や労働組合の指導者と協調して政権を握り、翌年、選挙によって選出された政府に政権を明け渡した。

大統領は、上院議会の廃止や国旗及び国歌の改変を含むいくつかの点に関する憲法改正を支持しつつ、上記のように発言した。憲法改正については、政党、労働組合その他の勢力で構成されるモーリタニアの反政府連合が「無意味だ」として、反対声明を呼びかけている。反政府派によれば「国家とその国民を略奪した戦利品のようにみなし、そこで好き勝手にふるまい、望んだ者に譲り渡すような統治者によって、国が乗っ取られている」。ここで一つ、大きな疑問が浮かぶ。もしもその統治者が国家とその国民を略奪した戦利品のようにみなし、そこで好き勝手にふるまい、望んだ者に譲り渡しているのであれば、なぜ彼は任期終了とともにこれを手放すのだろう?バッシャール・アサド、その前はムアンマル・カッザーフィーなどの国家元首、そしてハリファ・ハフタルのような軍事指導者は、国とその国民にとっては壊滅的な戦争を始めることにより「私を選ばなければ、国を破滅させる」との意志を示しているのだが。

脳裏に飛び込んでくる早急な回答を一つ挙げるとすれば、それは1994年の軍事クーデター以降、ガンビアの統治を続けてきたヤヒヤ・ジャメ大統領が、選挙に敗北したにもかかわらず権力の保持を試みたが、アフリカ諸国の軍事介入により失敗、国外へ亡命した最近の出来事である。モーリタニアのウルド・アブドゥルアズィーズ大統領は、ジャメ氏の亡命に関わる問題を仲介し、自身の成したことを誇らしいとしている。つまり、軍事独裁者の頑迷さが国と人々を滅ぼす前に、彼を排除することに貢献したということだ。そして、この出来事は、モーリタニア大統領や彼以外のアフリカの統治者たちの心に強く残った。また、これは、2010年にコートジボワールのローラン・バグボ大統領の身に起きたことの繰り返しであった。バグボ大統領は同国を内戦へ突入させたが、彼が逮捕され、ハーグにある国際刑事裁判所に引き渡されると内戦は終息した。

モーリタニアの事情に精通する専門家らは、アブドゥルアズィーズ大統領が立候補しない別の理由を挙げた。それは、モーリタニア参謀総長のシディ・ムハンマド・ガズワーニー氏が今年末に引退し、大統領への立候補が可能となり、舞台裏での支配から抜け出すということである。ガズワーニー氏は、モーリタニアで度重なるクーデターの真の首謀者とされる。これらのクーデターは、2005年にはムアーウイヤ・ウルド・タヤ大統領にもたらされ、2008年には、選出されたシディ・ウルド・シェイク・アブドゥッラー大統領が地位を固めようとしている時に起きた。そして今度は、2009年にウルド・シェイク・アブドゥッラー氏を退かせ、彼の座を奪った六代目の軍人大統領ムハンマド・ウルド・アブドゥルアズィーズ氏にも、ガズワーニー氏のクーデターがもたらされたと言える。

このことからわれわれは、ウルド・アブドゥルアズィーズ氏が発表した、立候補しないという誓約には「しかし立候補者の支援をする」という補足があることが理解できる。それによって、ウルド・アブドゥルアズィーズ大統領は、文民になり大統領に立候補すると決めた事実上の国の指導者、ガズワーニー氏から、これまで受けてきた深い恩義に報いることになるのである。

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(翻訳者:高橋 舜)
(記事ID:42200)