エジプト:ソハーグ県、アフミームの伝統絹織物を復活させるために桑を植樹する
2017年03月29日付 Al-Ahram 紙


■その名声は古代エジプト人からイスラーム帝国にまで広がった:アフミームの絹織物よ、さらば!

【ハージル・サラーフ】

「アフミームの絹織物」はトレードマークのようなものである。この絹織物は、何世紀も前から世界に知られていた。大英博物館は、7世紀に遡る織物の収蔵品を保管していることを誇りにしている。そればかりかではない。同博物館の織物コーナーの収蔵品の半分は、元来アフミームにのみ遡るのである。

亜麻織物は言うまでもなく、アフミームの絹織物も古く、古代エジプト人の文明にその起源を持つ。かつて、諸王の埋葬布の一部は、アフミームで織られた絹だけで作られていた。天然絹の生産はいくつもの時代を経て、イスラーム時代まで続いた。「東のマンチェスター」と称されたアフミーム、そのもっとも有名な絹織物のひとつが、カリフのアブドゥルマリク・ビン・マルワーンのシャツである。またこうしたことよりも重要なのは、カアバ神殿の黒幕がここアフミームで生産されていたことである。

2017年現在、アフミームには天然絹を織る機織り機は1台もない。レーヨンが天然絹に取って替わった。失ったものをいとも容易く取り戻せるにもかかわらず、この古い町は、そのもっとも重要な歴史的特徴を失っているのである。

2014年、ソーハーグ県元職員のマフムード・アティーク氏が、天然絹産業を復活させ、県の絹生産能力を取り戻すために桑の植樹プロジェクトを開始すると宣言した。この時、新たな希望が生まれた。事実、ソーハーグ県はカラマーン島(同県を流れるナイル川上に位置する島)に7ファッダーン(約29,406平方メートル)の土地を割り当てて、28,000本の桑の苗木を植えた。彼に続いたのが現県知事のアミーン・アブドゥルムヌイムであった。県知事はアティーク氏に対して費用の借り入れの許可状を準備し、天然絹産業におけるアフミームの地位奪還を約束したのだ!しかし、この時期のプロジェクトに関する公表物を調べてみても、許可状以外には何も見当たらない!

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:42423 )