モーリタニア:青年の社会批判の場へと変わる「文化サロン」(2)
2017年05月20日付 al-Quds al-Arabi 紙

■文化サロン:モーリタニアの青年たちが社会への批判を表現する空間

【本紙:ムハンマド・ヤヒヤ】

そして同氏は、モーリタニアにおける最初のサロンについて、「文化人にして文学者のワリー・ムハンマザン・ウルド・マフムーダン氏が首都ヌクアショットで開いたサロンが挙げられ、それはユニークな経験」であるとした。「1986年にそのサロンは設立され、知識人や文学者、国の要人らの中でも秀でた集団の注目の的であり続けた。彼らは、専用の会場内で文学や文化、芸術等の多くの問題を共有していた。」と述べた。

文化人で文学者であるワリー・ムハンマザン・ウルド・マフムーダン氏のサロンの特徴は、ウルド・アムジャド氏によると、厳格な慣例であったという。「というのも、一部の男性知識人を除き、一般には開かれていなかった。また世間の注目を浴びることはなく、サロンで交わされた一連の議論のテーマが慎重を要するものであったため、何年もメディアから隔絶されていた。議論の末に、時にはメンバーが直接殴り合いそうにもなったが、おかげさまで大事には至らなかった。ひょっとすればワリー氏の処方箋の軟膏のような当たりの柔らかい言葉のおかげかもしれない。」という。

劇団「シュルーク団」は劇や芸術全般の問題、文化や伝承の問題を議論する目的で文化サロンを立ち上げた。

舞台監督兼団長のイブラヒーム・ウルド・サミール氏によると「真の芸術とは自由に、開放的かつ批判的に多面的な世界を考える機会を、あなたに与えるものです。そして文化サロンはその機会を提供します。」という。

同氏は同団の文化サロンでの体験を称えて「他分野の専門家や芸術家を迎え、他の分野の考えや発想が活かされたことで、専門的な議論が行われ、生産的な集いになりました。」と述べ、さらに「文化サロンは、シュルーク団の劇芸術の実践知を高める上で大事な経験となりました。」と付言した。

(3)へ続く

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( 翻訳者:高橋 舜 )
( 記事ID:42693 )