モロッコ:2つの現実を生きるモロッコ系移民(1)
2017年07月29日付 al-Quds al-Arabi紙

■モロッコの移民:2つの異なる現実を生きる

【ウジダ:スフヤーン・アルバーリー】


夏季を通じてモロッコの国境検問所は人で溢れ返る。この時期は厳戒態勢が敷かれ、移住先のモロッコ人居住区から検問所を渡ってくる国外在留者や外国人在留者を迎える様子が全国的にみられる。2014年、世界各地からの帰国者数は約450万人に上った。そのうち70%は45歳以下の青年である。モロッコ人居住区は西欧諸国、特にフランス、スペイン、ベルギー、イタリア、ドイツに集中して存在している。

60年代から70年代の間に彼らの多くが国外へ出稼ぎに出ると、これらの西欧諸国は彼らを働き手として受け入れた。当時、世界大戦によって荒廃した土地を復興するために、彼らを必要としていたのだ。やがて彼らは家族とともに、現在まで断たれることのない彼らの文化や社会に関係する物を携えて定住した。

ここでモロッコ系欧州人の3世及び4世について取り上げるのも良いだろう。だが文化統合という問題は提起されたままとなっている。モロッコ人居住区が白人社会に完全に溶け込むようなことは全く起きなかったのである。むしろ、その問題の様相は、世界で相次いで起こる出来事とともに社会的なものから政治的なものへと変貌を遂げている。特筆すべきは、世界各地で起こるテロリズムという難題とテロ事件が発生する国々で極右勢力が台頭していることである。こうしたヨーロッパで起こる出来事を受け、今まで等閑視されてきた問題に焦点が当てられるようになった。はたして、移民は西欧市民として見なし得るか、という問いである。このような問いは、その議論が気分を害することのないようにどれだけ美辞麗句が並べ立てられたとしても、元来ヨーロッパに出自を持つ人々の間にあって移民という出自の異質さを語る仮面で覆われているのだ。


(2)に続く

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(翻訳者:高橋 舜)
(記事ID:43086)