イラク:青年活動家ら、モスルの図書館を救出
2017年08月24日付 Al-Ahram 紙

■抗議活動がモースルの公立図書館を救う

【バグダッド:フルード・アーミリー】

青年活動家らからなる一団が、街の破壊から唯一残ったモースルの公立中央図書館を裁判所に転用するという地方政府の決定を停止することに成功した。

街の左側のファイサリーヤ地区に位置するこの図書館は1921年、イギリス占領直後のイラク建国に際して造られた。この図書館は、ダーイシュ(イスラム国)が、貴重な本、写本、地図などを地下室へ運び、焼却や没収をせずに、壁の損傷や本の散乱、電気の断線などに留めた唯一の図書館だ。またこの図書館は、過激派組織が完全に焼き払ったモースル大学内部の図書館と合わせて、モースルで唯一の公立図書館でもある。

街の住民からなる青年活動家らの集団によって行われたキャンペーンは、ソーシャルメディアサイトにおいて大きな反響を得た。その直後、イラクのハイダル・アバーディー首相から口頭で地方政府の決定の実行停止という決定が発表された。

キャンペーンに参加した青年活動家のうちの一人、サーリフ・ヤース・フサイン氏は「図書館の管轄を地方政府から文化省に変えることは、図書館の修復や再開、関心を高めるという実を結ぶだろう。モースル県議会は図書館をないがしろにし、その惨状を少しも修理しなかった」と言う。

同氏は、「もし現状が今のまま続き、図書館がそのまま放置されれば、価値ある本や写本は地下室の湿気による劣化に直面し、モースルはダーイシュがその大部分を破壊してしまった文化財をまた一つ失うことになる」と加えた。

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( 翻訳者:清水有理 )
( 記事ID:43285 )