レバノン:ハリーリー首相「アウン大統領は地域の紛争から距離を置くという政策を実施する上での戦略的協力相手」
2017年11月24日付 al-Hayat紙


■レバノン:ハリーリー首相「アウン大統領は地域の紛争から距離を置くという政策を実施する上での戦略的協力相手」

【ベイルート:本紙】

レバノンのサアド・ハリーリー首相は、同国のミシェル・アウン大統領の求めに応じ、アラブ諸国の理解とレバノンの安定及び地域の紛争から距離を置くという政策に対する内外の支持に基づき辞任を「保留」する間、他のアラブ諸国と共に自国を危機から脱出させるために行動するとし、昨日(23日)も支持を集め続けた。危機はヒズブッラーが一部のアラブ諸国、特に湾岸諸国に干渉したことで生じたものとされている。レバノン情勢を観測する者達の間では、昨日イラン革命防衛隊のムハンマド・アリー・ジャアファリ―司令官が行った発言が注目を集めた。同司令官は、「ヒズブッラーの武装解除について交渉することはあり得ない」と語り、同党は「レバノンの治安を守るために最良の武器を所持しているべきであり、これは交渉し得る問題ではない」と述べた。

一昨日(22日)ハリーリー首相の邸宅前に民衆が集まり同首相の(危機解決に向けた)動きを支持したことを受け、ムスタクバル潮流の議会ブロックおよび同党の政治局・執行部によって開かれた合同会議では、ハリーリー首相がアウン大統領の要望に応じて辞任を保留したことについて、「さらなる対話に向けた賢明な措置」であるとの考えが述べられた。

ムスタクバル潮流の情報筋は本紙に対し、ハリーリー首相が(危機の解決に向けて)懸命に取り組む中、党の組織が発表した共同声明により皆が首相と同じ方向を向くようになるだろうと述べた。

また、本紙の得た情報によると、ハリーリー首相は昨日ムスタクバル潮流の指導部および議会ブロックの議員らを招集し、アウン大統領との関係はうまくいっていることを伝えた上で、同大統領を「戦略的協力相手」と表現した。この会合の出席者の一部によると、ハリーリー首相は一昨日アウン大統領の求めに応じて辞任の保留を受け入れた際に発表した声明の内容を実行しようとしており、地域の紛争から距離を置くという政策を言葉ではなく行動で示し、ターイフ合意の履行遵守に向けて動こうとしている。合同会議で発表された声明でも同様のことが確認され、「レバノンの安定を守り周辺で燃え盛る炎の中に転がり落ちる危険からレバノンを守るための選択肢を尊重する」ことが強調された。

ハリーリー首相はムスタクバル潮流の指導部および議会ブロックの議員らとの会議に先立ち、アラブ銀行協会の会合において開会スピーチを行った。ハリーリー首相はこのスピーチの中で、「今回の出来事で我々は皆、周りを取り巻く問題について考える前にまずはレバノンの国益を考えるべきだということを自覚した。我々を取り巻く問題は重要だが、(我々にとって)最も重要なのはレバノン(の国益)である。(同時に)アラブの同胞との関係が土台としてあるべきだ」と述べた。

ハリーリー首相の動向に詳しい消息筋が本紙に伝えたところによると、同首相はレバノンが他のアラブ諸国と関係修復することが求められていることについて、アウン大統領とともに定めた保留期間を利用し実際的な成果を上げようとするものと思われる。そして(自身の取り組みに対し)レスポンスがなければ、首相の地位に留まらない考えであると思われる。同情報筋はまた、ハリーリー首相が述べた自身の辞任保留に対するアラブ諸国の理解について、これにはサウジアラビアの理解も含まれていることを指摘した。

ハリーリー首相はアウン大統領とビッリー国会議長が自身と同調して行動することに賭けており、「我々3人は他の政治グループとともにどのようにして目指すべき場所へ到達するかを検討する。そして私は我々ならその場所に到達できると考えている」と述べた。

アラブ地域のある情報筋が本紙に述べたところによると、一部のレバノン当局者らはアラブ連盟の外相会合決議がヒズブッラーを「テロ組織」と呼び、「アラブ諸国のテロリスト集団に先進兵器や弾道ミサイルを供給し支援した責任」を負わせたとしてこれに異議を唱えた。しかし同情報筋は、この決議が「一部のアラブ諸国に関するレバノンのあるグループの行動に対して囁かれ続けていた不満について、停滞していた流れを動かした」と評価し、「レバノン当局者らはこの不満の対処に取り組むことが想定される」と述べた。同情報筋は、次の段階では特定の衛星放送を止めるなど連盟の決議が実行に移され、ナイルサットやアラブサット上の衛星放送のうち、レバノン国内でイランの資金提供を受けるものや一部ヒズブッラーを擁護するものがその対象となると指摘した。

ある消息筋が述べたところによると、ボールは現在ヒズブッラーの手元にあり、ハリーリー首相の辞任保留を受けて地域の紛争から距離を置くという政策を同党が実際的に遵守することが期待されている。また、同情報筋は首相がアウン大統領の求めに応じたことで、次は同大統領が協力相手であるヒズブッラーとともに、レバノンがこれ以上他のアラブ諸国との関係において危機に陥ることがないよう努力するものと想定されると指摘した。同情報筋はさらに、アウン大統領がこれまでヒズブッラーを守ることで貸しを作ってきたことから、同大統領はヒズブッラーに対してレバノンの国益を守るよう要求することができる立場にあると指摘した。同情報筋は、ヒズブッラーが(政策の遵守において)積極性を見せるべき場所はイエメンであり、まずは湾岸諸国及びサウジアラビアに対するメディア上の争いを止め、フーシ派に対する軍事力増強のための支援を停止するべきであるとの見解を示した。また、同情報筋はハリーリー首相の辞任に対するヒズブッラーの冷静な対応、そして「抵抗への忠誠」ブロック(注:ヒズブッラーの議会会派)が昨日行った意見表明が、地域の紛争から距離を置くよう求める声に応じ始めたことの兆しであって欲しいと述べた。同ブロックはその意見表明の中で、「ハリーリー首相の帰国と同首相が発表した前向きな声明、そしてその後の取組・協議が良い方向に進んでいることは、事態が再び正常化する可能性を示唆している」と述べた。

ハリーリー首相はドナルド・トランプ大統領から、「米国はレバノンが自国の安定・独立・主権を守ろうとする努力を支持する」と強調した電報を受け取った。また、フランスのエマニュエル・マクロン大統領はアウン大統領に対し、「レバノンの安定はフランスの最優先事項であり、中近東でフランスが掲げる非常に高い目標である」と述べた。

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(翻訳者:北本芳明)
(記事ID:43809)