シリア:イドリブ県の虐殺は「緊張緩和地帯」合意存続の試金石
2018年06月09日付 al-Hayat 紙

■イドリブ県の虐殺は「緊張緩和地帯」合意存続の試金石

【ベイルート:本紙】

シリア北部イドリブ県のザルダナー村で昨日、怒りに包まれ、破壊された光景が広がる中で新たな虐殺の犠牲者たちの追悼が行われた。反体制派はロシアの戦闘員が虐殺を実行したと非難したが、ロシア政府は即座にそれを否定した。しかし、今回の出来事はロシアのソチの保養地で今月開催された会合に先立ち、アスタナ・プロセスにおいて(ロシア・トルコ・イランの)3つの保証国が署名した「緊張緩和地帯合意」に逆らう「挑戦」だといえる。

またベルリンでは、ドイツの検事総長がシリア空軍情報局長であるジャミール・ハサン少将に対して、数百人の拘留者の拷問および殺害を監督した疑いで国際逮捕状を出した。メディア各社や活動家らによると、ハサン少将はバッシャール・アサド大統領の側近のひとりであり、人道に対する罪で訴追するよう求められていたとのことだ。同氏に対する逮捕状は、アサド大統領に自身の罪の責任を負わせるために「西欧諸国がこれまで行ってきた中で最も真摯な試み」であると評された。

一方、ザルダナー村を標的として木曜(7日)夜に行われた爆撃による犠牲者は女性11人と子供9人を含む51人にのぼり、そのほかに80人以上の負傷者がでた。シリア反体制派の情報筋は本紙に対して次のように語った。「破壊の規模は(今回の虐殺が)『空爆』によるものであることを示している、どのような砲撃でもこのような結果にはならないからだ。」

また、シリアの紛争監視センターは次のように述べた。「シリアの戦闘機は夜間攻撃を行わない。これは、ロシアの戦闘員のみが今回の空爆が可能だったということを明らかにしている。」しかし、ロシア国防省は今回の事件に関する責任を否定し、責任は「ヌスラ戦線とイスラーム軍」にあるとした。

(後略)

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( 翻訳者:長谷川岳志 )
( 記事ID:44896 )