シリア:全土で石油不足…同盟国の支援もなく(2)
2019年04月17日付 al-Quds al-Arabi 紙


■石油不足でどの写真にも長蛇の列が写し出される…ロシアとイランはシリアからの問いに捕らわれる

【ダマスカス:本紙】

この問いはシンプルだが、誰がこれに答えることができようか。その理由は金銭的なものなのか、もしくは技術的なものなのか、それとも政治的なものなのだろうか。

この問いに関連する形で、2015年9月にシリア軍への軍事的支援のため即座の介入を決定したロシアは、なぜ今、燃料不足に悲鳴を上げているシリア政府の支援のため、緊急介入を行う決定をしなかったのか、というシリア人たちの考えが同時に投げかけられている。

2018年を通して、ロシアは記録的と称される量の石油を生産した。というのも、ロシアの石油生産量が1120万バレル/日を超えたのだ。そしてこれは2017年に記録された記録的な年平均生産の水準である1098万バレル/日を超える量であった。

一方イランに関して、シリア人たちはイランが米国から課された制裁がもたらすに深刻な影響を理解している。また、彼らはイランが米国の海上阻止行動に逆らうための能力もロシアのような力も有していないことを理解している。しかしながら、彼らはそれを通じてイラン産石油がシリア国内に届いていた信用供与(の枠組み)について自問している。信用供与期間がどのように停止し、終了するのか、あるいはどのようにして更新されないのか自問している。そして、彼らはなぜシリア政府とイラン政府の政治・軍事的関係を支配していると見なされているこの(信用供与という)経済的な枠組みが、(両国間の)関係の形やその組織、政府の調整によって、最低でもイラン産石油の輸入活動を現時点で一時的・例外的に自由化する程度には絶対的な柔軟性を持ち合わせていないのか、と自問している。

正確な数値によると、シリアが現在の状況で、1日450万以上のリットルの石油、600万リットルの(暖房設備向けの)ディーゼル油、7000トンの燃料、発電用の1200トンの天然ガスを必要としている。しかし、シリア政府の支配地域における石油生産は、全体で2万4000バレルである一方で、同国は1日13万6000バレルの石油を必要としている。つまり、シリアの石油省が確保できているのは実際の需要の24%以下に過ぎないのだ。

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( 翻訳者:馬場響 )
( 記事ID:46662 )