シリア:イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(2)
2019年05月31日付 al-Quds al-Arabi 紙

■イドリブのジハーディストの地が革命最後の地に変わる時(2)

【本紙コラム:ワーイル・アッサーム】

同地には、アフリーンとユーフラテスの盾のように、革命派の反体制派諸勢力のいる地域が二つあるが、両地域をその字義どおりに反体制派地域と見なすのは極めて困難である。両地域は、ロシアの傘の下でトルコが獲得した地域であり、トルコは、シリアに領土回復と主権の尊重を可能とさせる条項を含むアスタナ合意を通じて両地域を獲得した。
アスタナ合意はアサド政権による領土回復を支援するロシアとトルコが主導したものだが、この合意はトルコ政府の支配下に置かれる両地域の反体制派諸勢力に対し、シリア政府への攻勢を許可していない。今後もこうした攻勢が認められることもないだろう。
このアスタナ合意を契機に戦いを求める諸軍団が、ユーフラテスの盾地域からイドリブへと移動したことで、ジハーディストの地であるイドリブは、革命諸勢力による反政府革命の実践場となったのである。
ユーフラテスの盾地域から政府に対して攻撃を行うリスクを冒す者は、たった2日前に起きた様に牢獄で抑圧を受ける。同じことは、数か月前にテデフでシリア政府を攻撃したアブー・ハウラ・ムハッサンの身にも起きている。トルコでさえ、既成事実のようにこの現実に対処し始め、反体制派組織に、イドリブ限定ではあるがシリア政府との戦闘に青信号を出したのである。他方、反体制派にはユーフラテスの盾地域から出発し、テデフやタッル・リフアトで政府と交戦する許可は与えられていない。
こうした状況がシリア政府を常時安心させているのかもしれない。シリア政府が特定の戦線でのみ交戦している一方で、その同盟国の一つであるロシアは、複数の停戦交渉や安全地帯を通じて残りの戦線の鎮静化を主導している。また、それ以外にも軍事的な戦列を乱すことに資するよう計画された政治参加を牽引しているのである。

(3)に続く

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( 翻訳者:馬場響 )
( 記事ID:46898 )