カイロ:「サバー」展、画家ワジェ・ヤッサーの意図は?⑵
2019年11月08日付 al-Quds al-Arabi 紙

画家ワジェ・ヤッサーの「サバー」展:古き時代に敬意を払う試み

【カイロ:本紙】

展示されている絵画の多くは、リサイタル中のウンム・クルスームを描いている。リサイタルが始まり、前奏の終わりを座って待っている有名な絵から、歌詞やメロディーと完全に一体化して揺れている姿の絵まで(展示されている)。そこには造形思想(造形的な見方)がある。ウンム・クルスームという人物はすでにいろいろな芸術家によって造形されてきた。ジョージ・バハグーリーの直接的な戯画であれ、アダム・ヘエインは彫刻であれ、ヒルミー・トゥーニーによるウンム・クルスームの歌の比喩的表現であれ…。ここでヤッサーは、中東で最も有名な女性歌手姿を、いくらか抽象派的傾向を交えた印象派的手法で到達しようと試みている。この展覧会には、ウンム・クルスームと彼女の著名な合奏団の絵画だけでなく、エジプトの偉大な作詞家や作曲家の肖像画も展示してされている。サイード・ダルウィーシュを始め、アブドゥルワッハーブ、リアド・スンバティー、バリ・ハムディーなど(の肖像画)である。さらにヤッサーは、ジバーブやターバンなど典型的な衣装を着た民族楽器(ラバーブやミズマール・バラディー)の演奏者たちの絵の展示も忘れなかった。それによって彼は、民族音楽をエジプト音楽の基礎として造形したのである。民衆演奏家を描いた絵画の方が有名音楽家の肖像画より印象派傾向が高くなる。それは有名人の肖像の肖像画より、抽象的傾向がより高い絵画のほうが芸術的に卓越した美しい自由な色彩が目立つというパラドックスの証拠である。

(後略)

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( 翻訳者:YA )
( 記事ID:48095 )