コロナウイルスは中東の「時限爆弾」(1)
2020年04月01日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■国際機関:コロナウイルスは中東の「時限爆弾」

【本紙】

中東で新型コロナウイルスの感染が出現し、それが生活や政治に及ぼす影響は破壊的なものになりかねない。

西洋式の発達した医療システムを備え、資源を調達する十分な能力がある国、イスラエルでも感染拡大による影響に苦しみ始めている。そして西欧諸国や合衆国が経験したのと同じ問題に直面している。同じことはイランにも言える。甚大な被害を受け、死者数は急増している。そして公式発表の死亡数が正しいと信じる専門家はほとんどいない。

サウジアラビアとロシアの間の原油価格競争は原油価格の急落を引き起こし、ほとんどの中東地域の経済基盤を揺らがせた。

中東諸国の政府は、打撃をうけた企業を救済し、賃金を補償するための大規模な公共投資に必要な資源を有していない。

しかし何よりも、中東地域で進行中の紛争と、戦闘によって発生した大量の避難民・難民が、現在新型コロナウイルスの感染拡大に直面している当地域の最大の問題である。

シリア、リビア、イエメンは、不十分な物資と未発達の医療インフラで、困難に見舞われ、被害を受ける最たる国と見られている。シリアの反体制派支配地域では、病院やそのほかの医療施設が攻撃を受けることもあり、そのため救援団体が緊急に支援を呼びかけ、協調した国際的対応を求めたのは当然のことである。

国境なき医師団は、「コロナウイルスの感染は中東地域全体に急速に広まる恐れがある。特に大きな集落にぎゅうぎゅう詰めの状態で劣悪な下水施設の難民キャンプではそうである」と警告している。

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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:48792 )