コロナウイルスは中東の「時限爆弾」(3)
2020年04月01日付 al-Sabah al-Jadid 紙

しかし、中東地域のすべての緊張回避のチャンスは極めて少ない。イエメン内乱では、様々な勢力が包括的な停戦に合意したかのように見えたが、数日前にサウジアラビアを標的にミサイル攻撃が行われるなどまだ遵守されていない。

対イラン制裁として米国が行った「最大限の圧力」作戦は、弱まる兆しがない。実際、多くのアメリカの専門家は、トランプ政権の主張はそれとは反対であるが、この制裁が、イランが緊急に必要な医療機器や生活必需品を海外から購入することを非常に困難にしていると考えている。

感染拡大は、民主主義的国家であるイスラエルでさえも、政治的影響を伴う憲法危機を引き起こしている。コロナウイルスの感染拡大阻止が最優先となり、そのために野党党首ベニー・ガンツ氏はベンジャミン・ネタニヤフ首相政権との統一政府樹立を余儀なくされた。(それは、ガンツ氏がこれまで否定してきたことで、彼の新政党内部に亀裂をもたらした。)

また裁判所の閉鎖により、汚職容疑のネタニヤフ首相の公判は延期された。

いつの時代も、戦争と流行病が歴史を創ってきた。残念ながら、私たちはまだコロナウイルス蔓延危機の初期段階にある。中東はさらなる混乱に陥る可能性があり、その結末はこの地域の現状より、良くなることはないだろう。

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( 翻訳者:下宮杏奈 )
( 記事ID:48804 )