イエメン:サウジアラビアが停戦を宣言するもフースィー派は攻撃を激化
2020年04月11日付 al-Quds al-Arabi 紙


■リヤドによる停戦宣言には疑問符が付き、イエメン政府に対する陰謀論との見方が強まる

【タイズ:ハーリド・ハンマーディー】

サウジアラビア率いるアラブ有志連合によって発表されたイエメンでの停戦宣言は、支持者と敵対者の間で様々な反応と数々の注目を集めた。ジャウフ県とマアリブ県とバイダー県において、(有志連合の)実戦部隊はイエメン政府軍の目ざましい展開を目撃している。こうした緊迫した状況において発表されたことを鑑みれば、同宣言はその意図と目的が疑問視される。イエメン問題を注視している人々の多くは、フースィー派がサウジアラビア率いる有志連合側から宣言された停戦を履行しないのではないかと疑った。過去5年間にわたる戦争の中で、フースィー派が自身とイエメン政府の間で結ばれた合意すべてを履行してこなかった事実が考慮されるからである。彼らは本紙に対する発言の中で、この悲観的観測の理由を、いかなる合意も、あるいは停戦に向けた休戦(協定)さえも履行してこなかったフースィー派側の多数の事例に帰した。イエメンで昨日起きた事件は、この悲観的観測の正しさを裏付けるものであった。フースィー派は、マアリブ市(サナアの170キロメートル東)中心部にある複数の住宅地に向けて1発の弾道ミサイルを発射した。その一方でフースィー派は、停戦が実行段階に入ったことに乗じて、アラブ首長国連邦に近い軍の支配下にあるフダイダ県西岸部の地域に対して、集中的な軍事攻撃を行った。

休戦にもかかわらず戦闘は継続している

イエメン軍の公式報道官であるアブドゥフ・マジャッリー大佐は、停戦の宣言がなされた直後の一連の出来事がもたらす影響についてコメントすることを拒否した。一方、イエメン政府高官らは以下のように説明した。「有志連合指導部が軍事作戦の停止を宣言した後に、フースィー派は軍事行動を激化させた。これは、2週間のあいだイエメンでの軍事作戦を停止するというサウジアラビアの提案を、彼らの側が拒否したということと同じである」。

イエメン政府に近い軍事筋は、停戦が実行段階に移されてから数時間後に、ジャウフ県とハッジャ県の2県で複数回の空爆が発生したと発表した。イエメン政府と近い軍高官の一人は、「この空爆は、フースィー派戦闘員らの複数車両を標的とした。これに先立ち、フースィー派戦闘員らは停戦を拒否し、イエメン政府軍の拠点への攻撃に及んでいた」と述べた。同筋によれば、フースィー派反逆者とイエメン政府に近い軍との間の衝突は、ジャウフ県とマアリブ県の複数地域においても発生したという。同様に、フースィー派は「アル・マスィーラ」チャンネル(訳注:フースィー派が運営しているテレビチャンネル)を通じて、ハッジャ県の「ハラド地区に対してこれまでの数時間の間に(中略)、敵の戦闘機による6回の空爆があった」と伝えたほか、ジャウフ県でも2回の空爆があったことを明らかにした。

(後略)

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( 翻訳者:了源康平 )
( 記事ID:48847 )