イラク:イスラーム国はコロナウイルスを利用し再起を図る(5)
2020年04月09日付 al-Quds al-Arabi 紙


◾︎ポリティコ:イスラーム国はコロナウイルスを利用しイラクにおける再編成を画策する

【ロンドン: 本紙】

イスラーム国はもはや弾圧されることがなくなったため、地域レベルにおいて野心を見せ始めた。組織はイラク・イラン間の国境に近いハーナキーン県において、イラク治安部隊に対する武力攻撃や地上作戦に用いる弾道ミサイルや迫撃砲弾を倍増させている。

3月17日からの5日間で、武装部隊が15発の迫撃砲弾をトゥーズ・フルマートゥーとアミルリーの密集した居住地域に向けて発射した。同地域への攻撃はこの二年間行われていなかった。イスラーム国が取る次なるステップを予測することは難しいが、おそらく村長や市長に対する殺戮が増加し、脅迫によって資金を増やすことが考えられる。

治安部隊による軍事作戦の停止は同様に、イスラーム国メンバーに対し、兵舎に駐留する治安部隊を囲う形で、地上に地雷を敷設する機会を与えた。また爆弾は兵舎の治安部隊を包囲する形で置かれると見られる。もしイスラーム国が部隊との衝突を逃れたまま放置されれば、地域の監視地点と地元住民に対する同組織の心理的支配が増加することになるだろう。

人々は健康状態が回復するより前に、活動地域内における覇者へとイスラーム国が変貌を遂げたことに気付くだろう。そして、地域における組織の支配がもはや歴史的事象になったと主張する者は誰もいなくなるだろう。このようにイスラーム国は村から村へと支配を広げ、自らを立て直していく。まさに、2010年から2014年の間に起きたことのように。

いまだ初期状態にあるイスラーム国の復活を止める唯一の方法は、(彼らに対する)急撃作戦を活発化させる以外にないと筆者は見ている。そのためには、アメリカ人とイラク人の間の協力関係だけでなく、イラク人の指導者らとスンナ派の間の協力関係も必要である。

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( 翻訳者:武田ほのか )
( 記事ID:48863 )