哲学思想が文学に与える影響(2)
2020年04月30日付 al-Quds al-Arabi 紙

哲学思想と文学におけるその影響(2)

【本紙:ムスタファー・ルガティーリー】

この見解に与した最初の人は、ラドワーン・ムタワッキルである。彼は、様々な哲学思想が文学にいろいろな影響を及ぼしていると言及した。確かにこれは、西洋の作家全般と一部のアラブ人作家の作品の多くに明らかである。例えばチェコの有名な作家ミラン・クンデラは、間違いなく多くの哲学思想を吸収し、それを文芸評論や小説に用いている。ここでは、この観察があてはまる彼の著書を一冊あげるだけで十分だろう。それは有名な作品『小説の技法』である。一方、アラブ人は−ムタワッキル氏の述べるところによると−疑いなく、ほとんどの文学者がなんらかのかたちで哲学の影響を受けており、多くの哲学論文から多大な恩恵を受けている。そのひとりが、エジプト人のノーベル賞作家ナギーブ・マフフーズである。彼の様々な著作、特に小説には、彼と彼の思想に与えた哲学の影響をみることができる。小説以外の作品においてもしかりである。その影響は『文学と哲学について』にも表れており、『泥棒と犬』や『我が町内の子供たち』、『乞食』などの小説もみることができる。これらひとつひとつに、勿論、様々な哲学思想から取り入れられた独自の哲学がある。

(3)につづく

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:49025 )