哲学思想が文学に与える影響(3)
2020年04月30日付 al-Quds al-Arabi紙

哲学思想と文学におけるその影響(3)

【本紙:ムスタファー・ルガティーリー】

(ラドワーン・ムタワッキルの)次は、ファドゥワー・ジャラーリーである。彼女は「哲学と文学はひとつの海に流れ込む2つの流れであって、多かれ少なかれ持ちつ持たれつの関係にある。そして、文学者の中に、哲学という源泉に依拠して、そこから哲学的な文学を確立するための特定のテーマを引き出そうとする者たちが現れた。不条理文学や実存主義文学、そして革新的な近代文学のパイオニアたちなどである。例えば、アルベール・カミュの代表作『異邦人』では、主人公を通じてカミュの哲学的展望が具現化されている。カミュは、小説の中で、人生になんの関心も価値も見出さず、死にも意味を持たずに生きている主人公についてのメッセージを伝えている。主人公にとっては生も死も変わりはない、いやそれどころかすべての物に意味や価値もない。カミュと同じ路線を取り入れたアラブ人文学者は少なくない。一切の制限から思想を解放することで、彼らに創作の世界を開いたからである。その傾向がはっきりとみられるのが、モロッコ人作家のアブドゥッラー・アラウィーである。彼は作品を通じて、宇宙規模を備えた近代哲学を採用し、それを文芸的な、あるいは厳密で深淵な哲学的な型に注ぎ込んだ。たとえば、これだけではないが、2つの作品『紙』と『孤児』や、2作品に顕著に現れた思想的、精神的、社会的負荷を挙げることができる。

(4)につづく 

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(翻訳者:藤原路成)
(記事ID:49027)