イスラーム哲学:イブン・ルシュドのガザーリーへの痛烈な反論(4)
2020年06月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■哲学:イブン・ルシュドがガザーリーを論破する

【本紙:アズィーズ・ハダーディー】

まぎれもなく、ガザーリーの信条は、アラブ人の理性の破壊と、権威のある法学者たちがカリフ神話やイマームの迷信で利用した詭弁を用いたアラブ人神話の構築であった。破壊と構築には、暴力と神聖の上に成り立つイデオロギーの両側面がある。哲学界の外の生き方を導く従来とは別の論証があり、ガザーリーはこの潮流の代弁者だった。というのも、イスラーム哲学の再興のためには理性を破壊しなければならないと考えていたからだ。しかし残念なことに、法学者は攻撃的な心情や権威を満足させるために虚偽と欺瞞の準備をした。その結果、哲学者の裁きは知識ではなく公の宗教で行われた。『哲学者の矛盾』の大部分が、詭弁的な証拠に基づく宗教的批判の記述で、それは伝統的な出典に基づく内容だが、法学者たちに対するドグマは含まれていない。そのようなことで、ガザーリーにとってのアラビア哲学の3つの懐疑―世界の永遠性、(神の)個物知、魂の復活―をどのように説明できるだろうか?いや、この懐疑に対する詭弁的解釈で、どうして哲学者たちに不信仰宣告が行われたのだろうか?ガザーリー自身がこの矛盾の犠牲者だったのではないだろうか?

(5)に続く

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( 翻訳者:藤原路成 )
( 記事ID:49374 )