シリア:忘れられていくシリアの紛争状態
2020年10月18日付 al-Quds al-Arabi 紙

■忘れられたシリア

【ズィヤード・マージド】

年始よりシリアの出来事が西ヨーロッパやアメリカの政治や報道でほとんど扱われていない。これは、一方ではコロナウイルスの蔓延による健康、経済、社会的な危機を受け、それを日々集中的にフォローアップし続けており、また他方では(シリアの)後にイラクとリビア、それからレバノン、その前はアルジェリアとスーダンで生じた中東と北アフリカの出来事、さらにはアラブ首長国連邦、バーレーンとイスラエルの関係正常化のニュースがあったためだ。シリアは 「アンテナを張る」対象からも地域問題のフォローアップ対象からも除外されてしまったのだ。シリアで現在起きている争いは、過去に政界、メディア業界の多くの人々の関心を集めていたものとは程遠い紛争であるようだ。もし、リビアやナゴルノ・カラバフにおいてアゼルバイジャンとアルメニアとの間で勃発した新たな戦争で戦うシリア人傭兵、という現象を取り上げた散発的な話題や短い記事がなければ、シリア問題を思い出させてくれるのは一部のSNS上の熱心なウォッチャーや引き続きシリアが専門の研究者たちだけだと言えるだろう。

そして、アメリカの選挙、考えられるその選挙結果とそれに続くシナリオが注目を集め、また東ヨーロッパがロシアとの国境において関係を発展させている今日の状況下で、このような事態はかなり長い間続くだろう。

(後略)

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( 翻訳者:坂上晴郁 )
( 記事ID:50047 )