エジプト:『マムルークたちのカイロ』…マムルーク朝時代の建築を振り返る(6)
2023年01月24日付 Al-Ahram 紙

■『マムルークたちのカイロ』…マムルーク朝時代の芸術的遺産を追う旅:ブックフェア特集

【ムスタファー・ターヒル】

そしてマムルーク様式の特徴はイスマーイール・パシャによる、カイロを「東洋のパリ」にするための計画のなかで再び現れるようになり、この現象はエジプトだけでなくヨーロッパの数多くの建造物においても見られた。

ヨーロッパはカイロで初めてマムルーク様式を知った。それはムハンマド・アリーとその高官らがヨーロッパの建築家たちに、エジプトにおける建造物と都市に関するプロジェクトを実施するよう要望を送った際のことであった。その後何人かのヨーロッパ人建築家はマムルーク様式の建築の虜となり、カイロにアラブの宮廷様式の私邸を数多く建設した。彼らは同様に、それが万国博覧会の会場であろうと、19世紀に建てられた建築物であろうと、ヨーロッパにおいてもマムルーク建築の要素からの着想を得ようとした。その際の建築物は今もなお残っている。

繁栄の後に待っていたのは凋落と衰退であった。この本はマムルーク式建築物の足跡を、終着点であるフアード1世による統治の時代に至るまで追っている。「フアード1世様式」として知られる、イスラーム建築を一つにまとまった建築様式として一般化する試みが現れたのが、この時期であった。

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( 翻訳者:佐々木舞香 )
( 記事ID:54920 )