論理的に見れば、現在イランとヨーロッパ間で行われている交渉は、過去にアメリカと行った交渉の延長線上にあるものとみなすべきだ。
◆執筆者:カームラーン・ガザンファリー(国会国家安全保障委員会委員)
交渉はただ無意味であっただけでなく、損害ももたらすこととなった−つまり、イランへの侵攻のために欺瞞行為や下準備をしようとしていたトランプの代理との2ヶ月に及ぶ政府の交渉の結果は、実際のところ、シオニスト政権がイスラーム共和国[イラン]への攻撃の計画を更新し、彼らの考えによればイランを徹底的に不意打ちするための準備として利用されたのだった。
現段階では、イランの交渉担当者たちは、我々の外交政策を国家にとって最小の成果ももたらさない方向に引き込む恐れがある欧米寄りの解釈や評価に強く警戒すべきである。トリガー・メカニズム[スナップバック・メカニズム:JCPOAの枠組みにおいてイランに合意違反があった場合に国連安全保障理事会の常任理事国が投票なしに過去の安全保障理事会の制裁を再発動できる仕組み]の運用開始を6ヶ月延期するといった提案は全くもって無意味である。
ヨーロッパが国連安保理の制裁を再開するプロセスを始動させ、いわゆるメカニズム[トリガーメカニズム]の発動段階に入った場合、イスラーム諮問議会[イラン国会]は、まず、第一段階として、速やかに包括的共同行動計画[JCPOA]からの正式な離脱を発表する選択肢を検討することになるだろう。同様に次の段階では、ヨーロッパが破壊的なアプローチを継続し、また準備期間を経て最終的に国連の制裁の再開に成功した場合、イスラーム諮問議会は政府に対しNPTからの離脱を強く要求する選択肢を検討することになろう。
核交渉チームはまた、ヨーロッパ側に対し、トリガーメカニズムを発動させ、アメリカおよびシオニスト政権と協調してイランに対する国連安保理の制裁を復活させるなら、ヨーロッパは罰を免れないだろうという警告を与えるべきである。イスラーム共和国は、イラン国民の基本的権利を保障することにおいては、敵たちに対して容赦することはない、ということを示してきた。
ヨーロッパで必要とされるエネルギー資源の大部分はホルムズ海峡を通過しており、イランは報復の手を打つ能力を有している。その過程で、望めばいつでもヨーロッパの喉元を圧迫し、圧力下にあるヨーロッパ経済をさらに深刻な状況に追い込むことができる。
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( 翻訳者:SM )
( 記事ID:60616 )