イランとIAEAの合意に関する国際メディアの分析|外交官:悪魔は細部に隠れる(2)
2025年09月10日付 Hamshahri 紙


―続き―

◆アメリカとイスラエルの反応
 アメリカ合衆国政府の立場に関する新たな公式情報は報道されていない。一方イスラエルメディアはカイロ合意に対し懐疑的な見方を示している。タイムズ・オブ・イスラエルは、イスラエル当局の発言を引用し、「イスラエルは以前、6月に行った大規模攻撃は《イランによるイスラエル撃滅作戦の実現を防ぐ》ために必要だったと認識しており、さらに、イランが自身の計画は平和的であると主張しているにもかかわらず、イラン・イスラーム共和国が核兵器製造への一歩を踏み出している、として非難していた」と報じた。アナリストらによれば、イスラエル当局はこの数週間、欧州に対し制裁を強めイランをさらに劣勢に追い込むよう要求しており、いかなる圧力緩和もイランの核の透明性に関する具体的で恒久的な措置次第となる。

 同時に、これらすべてのメディアが「合意の完全な文書は公開されておらず、その実施の詳細は明らかになっていない」と指摘している。ロイター通信は外交官らの言葉を引用して、「《悪魔は細部に隠れる》。まだ最終的な結論は出せない」と警告した。

 ガーディアン紙は、イランの議員が合意内容の開示を求めたが、グロッシー氏が、最終文書は公開される予定はない、と述べたと報道した。

◆査察の不透明性
 メディアは、査察の実践的なメカニズムの透明性の欠如についても強調している。ロイター通信の報道によれば、現在の合意では、いまだ査察官らの新たな施設への明確なアクセスが確立されていない。アッバース・アラーグチー氏はイラン国営放送によるインタビューのなかで、「合意は現在のところIAEAの査察官に対し、ブーシェフルの原子力発電所を除くいかなる施設へのアクセス権も与えていない」と説明した。同氏はイランがのちに提出する報告に基づき、アクセス方法が確定され、交渉が行われると付け加えた。

 この言葉は、一見するとグロッシー氏の発言と明らかに矛盾している。グロッシー氏は、IAEA理事会において、合意に関する文書は《査察、情報公開、実行の方法を明らかにするもの》であり、《イランのすべての施設および爆撃を受けた施設に関する必要な報告を含む》と発言している。

 ガーディアン紙はまた、6月に攻撃の標的となった重要な施設の一部(フォルドゥやナタンズなど)について、いまだ最終的な査察協力が決定していないと報道している。一部メディアの専門家は、いまだIAEAの技術的な責務とイランの安全保障への懸念とのバランスのとり方は明らかになっておらず、このプロセスは近いうちにより詳細な交渉が必要になる、と指摘している。

◆制裁の今後
 メディアがこのほかに指摘している決定的な問題は、制裁再開の運命についてだ。分析によれば、カイロ合意が欧州の懸念に対処するための基礎を用意したとしても、もし残された9月末までの間に[イランが]要求されている条件を満たさなければ、欧州諸国は制裁再開の手続きを続行するだろう。ロイター通信は、イランが交渉の終わりまでに制裁の解除を決定するに十分な前進ができるかどうか、尋ねた。AP通信によれば、欧州諸国は、イランとアメリカの直接交渉および査察が再開し、400キログラム以上の濃縮ウランについての正確な説明が行われれば、30日の期限延長を行う、と表明している。

 総合すると、メディアは今回の合意を緊張緩和につながる可能性のある機会であると捉えている一方で、合意内容の正確な履行と、今後数日間の協議の継続が決定的なものとなるだろう、と強調している。

―了―

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:NK )
( 記事ID:60838 )