シリア:統合と紛争の狭間に置かれる欧州のシリア移民
2026年02月14日付 al-Watan 紙
■ヨーロッパのシリア人移民…統合と紛争の狭間で
【ダマスカス:本紙】
欧州で続いたアラブの春後の移住は、アイデンティティ、市民権、統合をめぐる論点形成に大きな影響を与えてきた。さらに、受け入れ国へ渡った移民たちの間で生じる部族的な対立や、政権と右派政党の政治的衝突も、2011年以前には、ここまで連続的かつ加速したかたちでは現れなかった。
亡命地でアイデンティティが離散
受け入れ国は、新たな文化とアイデンティティの流入に直面した。そこで自己を確立できた強い集団がある一方、対立と不和の間で散り散りになり、現地の文脈に統合・適応できないままの集団も少なくなかった。本人たちは、自らのアイデンティティや民族的遺産を守るためだと主張するが、受け入れ国側は、母語教育を個別に整えたり、表現・デモ・結社や文化クラブの設立を広く認めたり、政党活動の余地を与えたりしてきた。
仮に、こうした制度的余地が適切に生かされ、問題の治療と、文化・アイデンティティ面での対話と相互理解を深める実効的な道筋が示されていれば、各コミュニティは、より統合された段階へ移行できたはずである。ところが現実には、適応に失敗した移民層の内面に心理的葛藤が蓄積し、受け入れ社会との調和と二重のアイデンティティの間で障害が広がっている。加えて、西側が移民の望みに合わせて自らを変えるべきだと迫るような議論まで現れ、事態をこじらせている。
市民・政治組織の成果は限定的
こうした統合と適応を後押しも阻害もする力学の中で、各種団体、いわゆるコムラート、政党などの一部が、期待された役割を十分に果たせていないことが目立つ。客観的・主観的条件に左右される面を差し引いても、文化交流の橋を太くし、固有のアイデンティティを適切に可視化するという、従来担うべき役割を遂行できていないのである。
西側が、母国で抑圧されてきた声に全面的な自由の空間を与えたとしても、これらの集まりは、母国で周縁化され抑圧された社会や集団を擁護したり、そうした声のための重要な場を作ったりする点で不十分だった。とりわけ、成功の一側面は、欧州の文脈で、文化・民族アイデンティティを再活性化する行事にどれだけ社会参加できるかに直結しているが、その線が細いままなのである。移民同士、あるいは移民と地域社会との相互作用が遠のけば、適応と統合が難しくなるのは当然であり、西側メディアが移民社会の前向きな実践を称揚して、地域社会との橋渡しを補うことも、現実にはまれである。
SNSや報道、あるいは、出来事の文脈や難民間の複合的な対立を深く知る有力者・関係者との直接の接触を通じて伝わってくる情報を総合すると、奇妙な現象が見える。移民社会は、政権与党の一角を占める右派の政策や社会的議題が自分たちに不利益をもたらし得るにもかかわらず、その脅威認識が弱い一方で、同じ難民仲間に対しては過度に高い危険感覚を示しているのである。ここから改めて、避難民同士の融和が欠け、受け入れ先で多様な集合的文化像を形成して、現地のエリート層に向けて発信する営みが弱いことが浮かび上がる。
統治の場で成功した移民がいる一方、社会では躓く例もある。移民の一部が議会や省庁などの意思決定の場へ到達できたのは、三つの連動した要因が支えたからである。第一に、亡命初期に苦労を引き受け、言語と法制度を学び、学位の同等認定などに取り組んだ個人の努力があった。第二に、右派の政策に反対し、障害を乗り越えて受け入れ国の生活の一部となった移民の統合を支持する西側の有権者がいた。第三に、同じ受け入れ国から来た同胞の一部による、相対的ながら感情的な後押しがあった。
ここから、受け入れ国における諸団体や社会・政治的編成、そして難民個人の間で、民族・国民的レベルと国際レベルの双方において、どれほど連携と協働が築けているのかが問われる。欧州で形成された一部の協会は、欧州外の民族的・宗教的出自を持つ帰化者が率いながらも、反人種差別、民主主義の強化、独裁への対抗といったネットワークに参加しており、活動の多様性と異なる背景の主体との緊密な協力を示している。
ただし、統合の失敗が増えるほど、右派には、難民というカードを使って他の欧州政党との対立を主導し、各国の一般政策に影響を及ぼす余地が広がる。難民政策や受け入れの扱いは目に見えて変化し、難民同士の摩擦や、難民と地域社会の間の対立までもが利用される。これにより、来訪者側だけでなく、しばしば中東・北アフリカの戦争や飢饉の背景を詳しく知らず、自国の内政課題を優先する地域社会側にとっても、二重の脅威が形成される。
総じて極右は、難民への反対動員に成功し、問題の発生を梃子にしながら、とりわけ失業者向け社会支援網から難民に支出される巨額の費用という論点を強調し、欧州の権力側と、逃避の諸国から庇護の諸国へ来た人々の間にある不信を増幅させてきた。
統合の失敗が蓄積
さらに残念なことに、多くの難民が就労よりも休息を優先するという語りが流布し、右派はそれを、受け入れ社会への危険や、欧州人の福祉と統合を妨げる要因として描く材料にしてきた。右派は、戦争とその余波から逃れてきた集団に対する人道的庇護を攻撃するため、どんな些細な口実でも探し出して利用しているのである。
複数の証言によれば、統合の失敗は受け入れ社会にとどまらず、移民・難民コミュニティ内部にも跳ね返る。欧州で、取るに足りない争いが武器を伴う衝突へ発展し、しかも部族的背景を帯びる事例があることが、その一端を示している。さらに、欧州の地方選挙や議会選挙で、同郷の候補者に投票することを、民族的・宗教的対立を理由に避ける人々もいるという。彼らは欧州社会に十分に統合できず、同時に、母国出身者同士の連帯や運命共同体としての結びつきも保てていないが、もちろん一律に一般化することはできない。
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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:61671 )