シリア:シリアの銀行は国民の信頼をいかに取り戻すのか
2026年07月30日付 al-Watan 紙
■専門家が改革の道筋を提示、独立性、技術革新、統合が再建期の金融改革の鍵に
【ハマー:本紙】
シリアの公的銀行が抱える危機は、もはや流動性の問題や銀行サービスの弱さにとどまるものではなくなった。むしろそれは、金融部門が再建段階に対応し、経済を動かす能力を持つかどうかを問う本格的な試練へと変わっている。
ハマー大学経済学部で金融・銀行論を教えるアブドゥッラフマーン・ムハンマド博士は本紙への発言で、問題の核心を指摘した。同氏によると、銀行部門はその基本的機能において不均衡を抱えており、真の改革は表面的な措置からではなく、銀行業務モデルそのものの変更から始めなければならないという。
信頼の喪失
ムハンマド氏は、政府系銀行の業績について、大きく停滞しており、機能不全に陥った金融仲介機関に近いと説明した。問題は資産規模だけにあるのではなく、これらの機関が経済的役割をどのように果たしているかにあるという。
問題の筆頭にあるのは信頼の喪失である。ただし、問題はそれだけにとどまらない。銀行は明らかな技術的老朽化、劣化したインフラ、実質的なデジタル銀行サービスの欠如にも苦しんでいる。さらに、国際銀行間通信協会(SWIFT)のネットワークから切り離されているため、対外取引はきわめて困難になっている。
また、インフレによって名目上の資産と負債が目減りしている一方、預金の圧倒的大部分は不動産銀行と商業銀行に集中している。ムハンマド氏によると、これは競争力と機能的広がりの弱さを示している。
独立性こそ救済の第一条件
ムハンマド氏は、銀行部門の改革には包括的なビジョンが必要であり、表面的な解決策では不十分だと述べた。特に、第一歩は経営を解放し、銀行に政府の直接的な決定からの完全な独立性を与えることだと説明した。
この文脈で同氏は、ガバナンス基準に従って運営され、行政的指示の実行ではなく成果によって責任を問われる、専門的で独立した取締役会の設置を提案した。
第二のステップは、資産構造の改革である。回収不能な不良債権、特に公的部門企業の債務を処理し、政府債券との交換によって償却したうえで、銀行が新たな段階を始められるよう財務諸表を再編する必要があるという。
また、技術転換は不可欠な条件である。同氏は、モバイルバンキング、電子ウォレット、即時決済システムへの移行、そして専門的なテクノロジー企業との提携構築を挙げた。
これと並行して、人的資源の開発も改革に伴わなければならない。現代的な研修を通じて、政府職員としての文化から専門的な銀行員の文化へ移行し、賃金を業績と生産性に結びつける必要があるとムハンマド氏はみている。
資源の分散ではなく統合を
公的銀行の再編をめぐって、ムハンマド氏は、現段階では統合が最も合理的な選択肢だと考えている。ただし、より大きな銀行組織の内部で専門性を維持することが前提である。
同氏は、産業銀行、農業銀行、不動産銀行、庶民信用銀行のように、狭い専門分野を持つ公的銀行が多数存在することは、資源の分散と負の競争を生み出しており、銀行部門にとって負担になっていると指摘した。これらの銀行は、流動性不足と効率性の弱さにも苦しんでいる。
同氏は、産業銀行、農業銀行、民間信用銀行を統合し、巨額の資本を持つ産業・農業開発銀行を設立する案を提示した。あるいは、これらをすべて商業銀行の傘下に統合し、競争力とリスク管理能力を備えた大規模銀行組織を形成する可能性もあるという。
ムハンマド氏は、統合は専門性の廃止を意味しないと説明した。むしろ、大規模銀行の内部に専門的な融資窓口を設けることで専門性を再定義し、規模の経済を実現し、業務効率を高めることを意味する。
また、狭い部門別の専門銀行モデルは世界的にもアラブ地域でも失敗が明らかになっており、銀行部門は現在、サービスを多様化し、より効率的にリスクを管理できる総合銀行へと向かっていると指摘した。
銀行再建の3つの鍵
アブドゥッラフマーン・ムハンマド博士は、シリアの銀行危機の核心について、資源不足というよりも、健全な業務モデルの欠如にあると要約した。
同氏は、解決には、銀行を財政赤字の資金調達のための貯金箱として扱うことをやめるという主権的決定が必要だとみている。そのうえで、銀行を実体経済に奉仕する金融仲介機関としての本来の機能へ戻すため、ガバナンス面での抜本的改革を始めなければならないと述べた。
また、改革を管理できる制度とガバナンスを構築しないまま他国の経験を模倣しても、求められる結果は得られないと警告した。
ムハンマド氏は優先課題として、3つの道筋を挙げた。第一に完全な経営上の独立性、第二に財務諸表の包括的改革、第三に再建プロセスを主導できる銀行組織を生み出す戦略的統合である。
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( 翻訳者:国際メディア情報センター )
( 記事ID:62612 )