最高指導者、「抵抗経済」を「実行」するための10の処方箋を発表~年頭演説で(2)

2016年03月20日付 Jam-e Jam 紙

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はその上で、「彼らが主張する二者択一とは、イラン国民はアメリカと折り合いを付けるか、さもなくば永久にアメリカの圧力下に置かれ、そのことが原因で起きる諸問題に苦しめられるか、のいずれかの道のことである」と述べた。

 師は「アメリカの富、政治的手段、大規模なプロパガンダ装置、そして軍備」について触れ、「この特殊な考え方によれば、〔イランは〕アメリカのような国とは折り合いを付け、彼らが押しつけてくる要求を受け入れることで、『〔イスラーム共和国の〕立場、原則、そしてレッドライン』を断念すべきだ、というのである」と指摘した。

 イスラーム革命最高指導者はさらに、「先の核合意は〔指導部の〕承認を得たものであり、我が国の交渉団〔の方針〕も〔指導部によって〕認められていたが、そこでもこうしたことが起きていた。尊敬すべき外務大臣が、しばしば私に『一部のレッドラインを守ることは不可能でした』と言っていたのである」と付け加えた。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下はその上で、「これはすなわち、〔話し合いの〕相手側がアメリカ政府であるような場合、彼らと折り合いを付けるとは、人が堅持してきた一部のことを断念する、ということを意味するのである」と述べた。

 師は、偽りの二者択一を主張する危険な考え方を受け入れ、それを他人にも受け入れさせようとしている者たちが国内にもいると強調し、次のように指摘した。

これらの者たちは、イラン経済には大きな可能性がある、この可能性を活かすには、核合意だけでは無理だ、アメリカとの間にはその他にも問題があり、イラン国民ならびに国の責任者たちはそれについて決断を下し、アクションを起こす必要がある、などと言っている。

 イスラーム革命最高指導者は、核合意後、こうした「特殊な見解」が追求しているものとしては、「西アジア地域の諸問題」についてアメリカと対話・協力をしたり、「自らの原則やレッドラインを断念することを基本として、イラン・アメリカ両政府間の相違について話し合うこと」なども含まれていると指摘した。

 アーヤトッラー・ハーメネイー閣下は、こうした「特殊な見解」によれば、国の抱える経済問題は、さまざまな懸案でアメリカと話し合いを行い、自らの立場を断念したときにのみ解決されるのだと強調した上で、次のように指摘した。

こうした者たちは、核合意が「BARJAM」〔※〕と呼ばれているように、その他の問題、さらには国の憲法についてでさえもアメリカと対話をし、それらを「BARJAM 2、3、4」にすることが可能だ、こうした対話が行われ、合意が得られれば、人々の暮らしは楽になり、彼らが抱える諸問題も解決する、などと言っている。

※訳注:「BARJAM」は「包括的共同作業計画」のペルシア語訳の略語で、核合意はイランでは通常この語で呼ばれている。

つづく


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翻訳者:IT
記事ID:40122