他の説教師とは一味異なる聖職者、140万フォロワーを持つハサン・アーガーミーリー師は何故聖職者の地位を剥奪されたのか?

2019年01月13日付 Mardomsalari 紙

 聖職者ハサン・アーガーミーリー師は、インスタグラムで140万人以上のフォロワーを持つとして知られている人物である。彼は、テヘラン聖職者特別検事から起訴され、聖職者の地位の永久剥奪と禁錮2年[後述:執行猶予5年]を言い渡された。この判決が下されたことがアーガーミーリー師によってインスタグラムで発表されると、彼のフォロワー数は急増した。ハサン・アーガーミーリーとは誰?一体何を言い、何故聖職者の地位を剥奪されたの?

 ハサン・アーガーミーリー師は、インスタグラムで140万人以上のフォロワーを持つ聖職者として知られている人物である。彼は、テヘラン聖職者特別検事の起訴により、聖職者の地位の永久剥奪と禁錮2年[後述:執行猶予5年]を言い渡された。この判決が下されたことがアーガーミーリー師によってインスタグラムで発表されると、彼のフォロワー数も急速に増えたのである。ハサン・アーガーミーリー師とは誰なのか?一体何を言い、何故聖職者の地位を剥奪されたのだろうか?

 本紙によれば、ハサン・アーガーミーリー師は、特に若者の間で人気のある、有名な聖職者である。彼はスマートフォンが用意したあらゆるテクノロジーのなかでも、特にSNSを、自らの信条を拡散させるために活用してきた。彼はおそらくサイバースペースにおいて、最も有名で活動的な聖職者だ。

 アーガーミーリー師の説教は、大抵、インスタグラム上でライブ配信され、彼の講演のビデオクリップは多くの人々により視聴され、フォローされている。

 ハサン・アーガーミーリー師は、SNSの使用程度でみれば、他の聖職者と何ら変わりはない。彼曰く、彼は、聖職者としての所得に依存していない。聖職者の保険も報酬も得ていない。個人で職を得ており、とある民間企業で顧問をしている。彼は15年間講演活動を続けているが、説教による所得には依存していない。

 一方で、ハサン・アーガーミーリー師の講演で提起された話の内容は、伝統的な聖職者のそれと比べ非常に異なる。彼は若者の間で人気があるにも関わらず、こういった彼の話の内容は、彼が多くの痛烈な批判者を持つという結果を招いた。2019年1月12日[イラン暦1397年10月22日]付のファールス通信は、アーガーミーリー師に対する記事のなかで次のように述べた。「この若い聖職者は、一見、聴衆、特に若い世代には美しくみえるが、堕落し破壊的な結果をもたらすような考えを広めている。なぜなら、この聖職者の話のなかには正確なものがあるが、この思想の核はクルアーンとアフル・アル=バイトの伝承に反するという理由で、非常に堕落したものである。」

 アーガーミーリー師の、聖職者が仕事をすることにたいする考え方は斬新である。彼はあるインタビューのなかで次のように述べている。「アフル・アル=バイトは仕事をしていた。しかし、一部の人間は、アフル・アル=バイトが土を触るとそれが金になるから、仕事をしていないと考えている。そんなはずはない。彼らは就業者であった。農業に従事していた、商いをしていた等、多くの伝承がこの分野に存在している。私はゴムの会議で、アボル・ファズル[訳注:イマーム・アリーの息子であり、イマーム・ホセインの異母兄弟]の職は何であったかと質問したが、誰も知らなかった。私は彼らに、何故知らないかわかるかと尋ねた。知らないのであれば、私の職は、私のような者は何になるのかと尋ねた。もしもアボル・ファズルが職についていたとしたら、ハッジ巡礼者も職を持っているべきだ。したがって、あなたがたの考えるアボル・ファズルは、我々が無職であることを説明するために無職である、ということになる。聖職者の財産が人々や政府に依存することを、正しいとすることはできない。依存は言葉という天秤の皿が、片方に傾いてしまう原因となる。人々や政府に違いはなく、聖職者というのは、この両方から独立していなければならない。」

【アーガーミーリー師の聖職者地位永久剥奪】
 アーガーミーリー師は、自身のインスラグラムの投稿で、特別聖職者裁判所が発行した判決について次のように述べている。「10年、15年も経って、連行、逮捕、職場や人前での侮辱…テヘラン特別検事の訴えと特別法廷の第二刑事裁判所裁判官の判決を、検事総長モンタゼリー師にあて判決を送付した。それは禁錮2年で執行猶予5年つきだけど、ついでに聖職者の地位の永久剥奪だよ。それで、まあ頑張れときたもんだ。」

 女性・家族担当副大統領マアースーメ・エブテカール氏は、アーガーミーリー師に下された判決が、高裁において破棄されることを願っていると述べた。しかし、アーガーミーリー自身は、この判決に控訴するかしないかについて言及していない。セイイェド・ハサン・ホメイニー師の息子であるアフマド・ホメイニー師も、アーガーミーリー師の聖職者地位永久剥奪に反応し、インスタグラムで次のように述べた。「尊敬すべき方であり、人間の精神において、貴方はより一層親愛なる存在である。貴方自身と貴方の最後の審判の神よ。有罪となったすべての者が、健全とは限らない。しかし、健全である人間の多くは、罪びとなのである。神は栄光と屈辱を与えたもうたが、この世界では、人々の愛も常に貴方とともにある。家路へと向かう、残虐な戦場で幸あらんことを。」

 アーガーミーリー師は、以前、ハムシャフリーイェ・ジャヴァーン誌でのインタビューで、「あなたは、あなたが法衣を纏うこととあなた自身の社会的立場を分けるのか」という質問にたいして、次のように答えた。「まったく社会的立場はない。服装はなにも意味をなさない。どんな服なら良いのか?まさか預言者の服装と人々のそれは違っていたとでも?この服装というのは一つの歴史的なものであり、ここに確かなものはない。イスラーム聖職者の法衣は人々と異なると誰が言ったのか?何故そのようにしなければならないのか?社会的立場とは、人間の立場であるべきだ。敬虔で、禁欲的な立場であるべきだ。服装に本物も偽物もない。」

 アーガーミーリー師は、そのインタビューで「自分がいないところで活発に議論がなされて、説教禁止される可能性もあるかもしれないが、そういうことはないだろう」と述べていた。我々はこの異才とともに、アーガーミーリー師に下された判決に変更がなされるのか、あるいは、彼の反対者たちのゴリ押しで彼の聖職者としての地位が永久に剥奪されたままなのか引き続き追っていく必要がある。

アーガーミーリー師の説教の雰囲気を知るために、以下の動画を視聴をお勧めする。
[同紙の当該ページのURL]


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翻訳者:KM
記事ID:46192