ブルサ水害、ポンプ泥棒がその原因

2020年01月08日付 Hurriyet 紙
ブルサ県カラジャベイ郡で、数千ドニュムの耕作地と2千頭の牡牛がいる農場が、泥棒のせいで水浸しになった。人々の被害を取り除くために自治体のチームが動員された。

トルコで最も肥沃な農地を有するカラジャベイ平野が洪水により水没した。週末から降り続いていた強い雨のため山から水が流れ込み、旧カラデレ川の川床が氾濫した。1週間前にシャーヒン区の排水施設で起きた窃盗事件により、4台のポンプが稼働していなかった。窃盗犯がポンプ設備を略奪し、およそ3千ドニュムの土地が水害に遭った。

■ブルサ・イズミル間の道路は冠水

通常、山から流れてきた雨水がギョレジキ川から溢れ出すと、カラデレ川とギョレジキ川の間にあるセンサー式の排水ポンプが水位に応じて作動し、ギョレジキ川で溢れ出した水をカラデレ川に排水する。しかし先週、窃盗団がシャーヒンキョイ区内にあるシャーヒン・ポンプ・ステーションにガラスを割って侵入し、銅ケーブルを切断して盗んだ。窃盗団は、施設の電子パネルも損傷させ、道路橋建設現場の夜間守衛に気付いて逃走した。しかしケーブルや電子パネルが損傷したことで、排水ポンプが作動しなくなった。

■1週間降り続く雨で氾濫

この1週間降り続いている激しい雨と、山から流れてくる水によって、ギョレジキ川の水位が上がり氾濫した。自動的に作動するはずのセンサー式ポンプは、排水施設の異常により作動せず、シャーヒンキョイの肥沃な農地は浸水した。ブルサ・イズミル間の道路は冠水した。一部の地域では、野菜が水浸しになる様子がカメラに記録された。冬の時期に大量に消費されるレタスやネギ、カリフラワー、タマネギが植えてある農地で作物が水没した。シャーヒンキョイ内部にまで及んだ洪水は、村を脅かし、同村内にある私立学校も浸水しかかっている。学校では授業が続くが、教員と生徒たちが心配している様子は明らかだ。

■2千頭の動物が置き去りに

他方で、とある家畜農場では2千頭の家畜が置き去りにされた。
イフラス通信社(İHA)の記者団はトラクターで農場に入り、水に浸かった動物たちの映像を報じた。洪水により動物たちにはトラクターで藁しか与えられておらず、小屋の動物たちは水に浸かっていた。農場のオーナーは、早急に排水が行われなければならないと話した。水に浸かってしまった動物たちが寒さで震える様子が注目を集めた。

シャーヒン区のセダト・バユル区長は次のように述べた。
「3000から4000ドニュムの肥沃な土地が浸水している。ここには排水ポンプがある。そのポンプのケーブルが盗まれたそうで、私たちは1週間前に行動を起こした。雨が降ったら農地が浸水するので、すぐに修理する必要があると訴えた。彼らは対策を講じると言っていた。私たちは、農地が浸水したのを見て、誰のところにも向かえなくなった。窃盗が起き、排水ポンプが作動しなかった。ポンプは川から流れる水を排出していた。雨が降る前に対処できていれば、こんなことにはならなかっただろう。カリフラワーやレタス、ネギ、タマネギ、ホウレンソウが植えてあったが、野菜は見当たらない。水は、私たちの村の奥にまで及んだ。この地は雨の後すぐに排水される必要がある。対策を講じなければならない。水が引いてから、地域で被害確認が行われるだろう。」

家畜農場のオーナー、セルダル・ウンさんは、「ここには2千頭の家畜がいる。無責任な行動のせいでこんなことになった。家畜は中に閉じ込められている。家畜の食べ物は水浸しになってしまった。私の現在の被害額は約30万トルコリラ程だ」と話した。

カラジャベイ農業機構運営委員会メンバーのラマザン・デュゼン氏は次のように述べた。
「農場の家畜や飼料、そして農地が浸水した。私たちは、ネギやホウレンソウ、タマネギ、小麦を育てていた。ここには国が設置したポンプがあったが、水は排出されていない。ポンプが作動すれば排水される。国はポンプを設置し、電気を引いて、施設を建設した。首長や村民が警告したにもかかわらず、排水が行われなかったのは重大なことだ。私たちの仲間は、背負った責任を果たさなければならない。水は、このまま行けば増えるかもしれない。関係者が早急に対処する必要がある。このままでは動物も死に至らしめてしまうかもしれない。1㎡あたり57キロの雨が降ったようだ。ふつうならこの雨量では農地に被害はないはずだ。この事態は、失態によるものだ。」

今のところ排水施設では3台のポンプが稼働しているが、2台は稼働していない模様だ。3つの別々のラインからカラデレ川への排水が始まっている。

一方でカラジャベイ郡の作業車は、農地と川の間で水路となる道を掘って拓き、農地に溜まっていた水を、開通したこの排水路からカラデレ川に向けて流した。畑に溜まった水は、1週間以内に排出が完了する見込みだ。


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翻訳者:金戸 渉
記事ID:48399