救助隊、続々救出なしとげる

2020年11月01日付 Cumhuriyet 紙

ブセさん、インジさん、セヘル准教授、そしてほかにも多くの愛すべき人々……。地震に見舞われたトルコ全土が、被災から数時間を経て救出された彼らのことを喜んでいる。エーゲ大学セヘル・デレリ・ペリンチェキ准教授と3人の子らは地震発生から23時間後に救助されたが、お子さんの一人は命を落とした。(救出作業を見守っていた)パクデミルリ農業森林相大臣は、電話で話したブセさんと9時間後に対面を果たした。こうした奇跡の救出劇が、近親者の救助を待つ家族に希望を与えた。トルコ全国から集まった救助隊が9つの建物で作業を行った。

エーゲ海のイズミル県セフェリヒサル郡沖を震央として発生したマグニチュード6.9の地震で、建物17棟が倒壊。捜索救助活動2日目は、建物9棟で救助隊員による活動が昼夜問わず続く。トルコ緊急災害対策庁(AFAD)は、溺死1人を含む37人が死亡し、885人が負傷したと伝えている。

トルコ保健省ファーレッティン・コジャ大臣は、243人が病院で治療を受けており、8人が集中治療中、3人は重体であると発表。一方、地階がカフェになっている7階建て、21室のドアンラル・アパートの瓦礫下に何人が取り残されているかは不明である。

同アパートから13人(うち12人は存命)が救出された。時間との勝負で救出作業を続ける救助隊員らは、地震発生から16時間後、3階で子ども3人とともに瓦礫の下にいたエーゲ大学エメル・アクン職業高等専門学校教員であるセヘル・デレリ・ペリンチェキ准教授とどうにかコンタクトをとることに成功。

10歳の双子のエゼルちゃんとエルゼムちゃん、そして7歳のウムットちゃんのために、非常に困難かつ集中力を要する救助活動が始まった。7時間に及ぶ慎重な作業を経て、地震発生からちょうど23時間後に、母親と3人の子どもらが瓦礫から救出されたが、弟のウムットちゃんは奮闘の甲斐なく命を救うことができなかった。

また、同アパートでエリフという名の児童の救出作業が続けられている。瓦礫の下で3人の子とともに取り残されていたセヘル・ペリンチェキ准教授の声を聞いた、妻のオウズ・ペリンチェキさんと父のベキル・ダレリさんは、幸福と悲しみの両方を経験することになった。一家は抱き合い感情を溢れさせた。

■一度に3つの奇跡

オカンさんが救出されていた時間帯、ユルマズ・エルベック・アパートメントの瓦礫下に取り残されていたヒュルヤ・オズメットさんからも喜びの知らせが届いた。救助隊が負傷したオズメットさんを救出したのは地震発生から17時間後だった。

瓦礫から歩いて出たオズメットさんは、拍手喝采の中、救急車に乗せられた。

同じアパートからギュルチン・アイクト・ソイダンという名の住民が地震発生から約16時間後に、53歳のファーディメ・トルさんも同15時間後に負傷してはいたが救出された。
トルさんが救急車に搬送される際、息子が「お母さん、がんばって、私はここにいるからね」と声をかける姿が注目を集めた。

■26時間後の救出

4区画からなるバルシュ居住区では、部分的に崩壊した2区画で作業が続いている。捜索救助活動にあたるブルサ・ユルドゥルム市チームは、地震発生14時間後に、負傷したエミネ・エレンさん(62)を瓦礫から救出することに成功。また同17時間後、同じ区画内の建物の瓦礫の下からヌルジャン・トスンさんも負傷した状態で救出された。

地上1階・2階部分が崩壊したユルマズ・エルベキ・アパートメントで地階の雑貨店に取り残されていたハリム・サルさん(62)は、地震発生から26時間後に瓦礫の中から救出された。

■ブセさんは電話から9時間後に

ベキル・パクデミルリ農業森林相大臣は、前日の夜、地震で倒壊したサカルヤ通りの8階建ての建物の瓦礫の上に立って、その瓦礫の下に取り残されたブセ・ハスユルマズさんと電話で話し、助けが届くよう捜索救助犬を使うこと、冷静になることが大事であること、そしてハスユルマズさんがいる場所はおおむね特定していることなどを伝えた。

ハスユルマズさんは電話に対し、「では猫の鳴き真似でもしましょうか?」と答え、パクデミルリ大臣も「そうです、ブセ、猫の声を出して、そんなふうに心を強く保ちなさい」と応じた。救助隊がハスユルマズさんのもとに到達したのは、それから9.5時間後のことだった。ハスユルマズさんは救急車で病院に搬送され、パクデミルリ大臣は昼過ぎにハスユルマズさんを見舞うため病院を訪れた。その際、現在、婚約中のハスユルマズさんは披露宴にはパクデミルリ大臣を招待したいと語った。一方で、パクデミルリ大臣が瓦礫の上に立って電話で話した行為は、ソーシャルメディアで物議を醸してもいる。


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翻訳者:原田星来
記事ID:50125