日産ゴーン元会長逃走幇助に2年4か月の実刑判決

2021年02月24日付 Hurriyet 紙

日産の元会長でレバノン出身のカルロス・ゴーン氏が、在宅起訴されていた日本からレバノンに逃亡した事件に関する訴訟で判決が明らかになった。

日産の元会長でレバノン出身のカルロス・ゴーン氏が、在宅起訴されていた日本からレバノンにイスタンブル経由で逃亡した事件に関する訴訟で、ある企業幹部と2人のパイロットが逃亡幇助の罪でそれぞれ4年2ヶ月の懲役の有罪判決を受けた。

バクルキョイ第17初等刑事罰裁判所における審理に、在宅起訴中の貨物輸送会社の営業部門代表のオカン・キョセメン被告とパイロットであるノヤン・パシン被告、オズギュ・ビルゲ・バイラム被告、バフリ・クトル・ソメキ被告、セルハト・カフベジオール被告と弁護団が出廷した。民間貨物輸送企業の代表取締役のジャン・シャスマズ氏の弁護士も裁判に臨んだ。

企業幹部のオカン・キョセメン被告は、故意に何もしていないと説明し、「長年この部門にいた。このような事件に関わるのは大変不運なことである。赦免を要求する」と話した。被告人のうちパイロットであるバフリ・クトル・ソメキ被告は、機長を務めていたと話し、「復職させてもらえるなら、同じ仕事をする。どんな形でも利益を得られる状態にはなかった。何らかの得た利益があったならば、何ヶ月も働けるよう海外出国禁止の免除も望まなかった。私は年金と母親のカードでやりくりしている。私はこの罪を決して認めない」と話した。

同じくパイロットの被告人のうち、ノヤン・パシン被告は、会社に命じられた業務を行なったと述べ、カルロス・ゴーン氏が日本及びイスタンブルにおける全ての検 査を通過したと主張した。物質的な利益を得ていないと述べたパシン氏は、逃亡幇助罪の法的要件を満たしていないと話し、赦免を申し出た。他のパイロットの被告であるセルハト・カフヴェジオール被告とビルゲ・バイラム被告も赦免を望んだ。

裁判で最後に言いたいことを聞かれた全ての被告人たちは赦免を申し出た。資料をもとに判決を下す裁判官団は、被告人のうち、会社幹部のオカン・キョセメン被 告、パイロットのノヤン・パシン被告及びバフリ・クトル・ソメキ被告に対し、外国籍のカルロス・ゴーン氏を違法な形で日本からトルコに連れてきたことから「逃亡幇助」罪を働いたことが確かであるとして、それぞれ4年2ヶ月の懲役の実刑判決を下した。

裁判所はこの2人の被告人に対し、他に3万1240リラ(約44万9218円)の罰金刑を下した。またセルハト・カフベジオール被告とオズギュ・ビルゲ・バイラム被告に対し、「逃亡幇助」 罪の法的要件を満たしていないと無罪判決を下し、客室乗務員のネスリン・アルトゥナラン被告に対して「隠蔽」罪の法的要件を満たしていないと無罪判決を下した。

裁判所は、客室乗務員のセルピル・クルナズ・クユムジュ被告も「隠蔽」罪について[罰金に当たる]金銭を支払ったことから、裁判を取り下げる判決をした。

■起訴状より

バクルキョイ共和国主席検事局により作成された起訴状では、明確な個人情報が特定できないニコラス・メズサロズ氏が、日本で裁判にかけられ、在宅起訴されていたカルロス・ゴーン氏を出身国レバノンに逃がす目的で、明確な個人情報が特定できないアメリカ国籍のマイケル・テイラー容疑者とジョージ・アントニー・ザイェキ容疑者を手配し、飛行機の件では、民間航空会社の営業部門代表を務め、人々の間で取り持ちを行なっていたオカン・キョセメン氏と合意した、と明らかにされた。

また起訴状では、オカン・キョセメン被告が大阪・イスタンブル間のフライトを実現するにあたりTC-TSRの登録番号を持つ飛行機を、イスタンブル・ベイルート間ではTC-RZAの登録番号を持つ飛行機を手配したことが述べられた。TC-TSRの登録番号を持つ飛行機のパイロットであるノヤン・パシン氏及びバフリ・クトル・ソメキ氏、TC-RZAの登録番号を持つ飛行機のパイロットであるオズギュ・ビルゲ・バイラム氏及びセルハト・カフヴェジオール氏について、本件に関して情報が伝えられていた、と記されていた。

また起訴状では、TC-TSRの登録番号を持つ飛行機が2019年12月28日にドバイで確認されており、マイケル・テイラー容疑者とジョージ・アントニー・ザイェキ容疑者が56・54・99cmの寸法で内部にスピーカーシステムがあるものと、56・70・122cmの寸法で中身が空である二つの音楽用ケースを飛行機に乗せ、次の日に大阪空港でおろしていたことが説明され、乗務員も同日20:30頃イスタンブルへのフライトを実行するために大阪空港に着陸しており、テイラー容疑者とザイェキ容疑者が22:15頃に飛行機に搭乗し、快適に呼吸ができるように、およそ70の穴が開けられた大きな音楽ケースにカルロス・ゴーン氏を入れたことが伝えられていた。

また、カルロス・ゴーン氏がいる大きなケースを客室に積んだ飛行機は12月30日の5:21にアタテュルク空港に着陸し、ベイルートに向かう飛行機の近くに近づいたと述べられ、ゴーン氏が乗ったTC-RZAの登録番号を持つ飛行機がベイルートに向かった、と説明されていた。

起訴状では、貨物輸送会社の営業部門代表のオカン・キョセメン被告とともにパイロットのバフリ・クトル・ソメキ被告、ノヤン・パシン被告、オズギュ・ビルゲ・バイラム被告、セルハト・カフヴェジオール被告に関して、共謀して「逃亡幇助」を犯した罪で3年から8年の懲役刑が、客室乗務員のネスリン・アルトゥナラン被告とセルピル・クルナズ・クユムジュ被告に関しては「隠蔽」罪で最大1年の懲役刑が請求されていた。裁判では、カルロス・ゴーンを逃亡させる代償にオカン・キョセメン被告に、未だ確定できない額の支払いを行ったニコラス・メズサロス氏、マイケル・テイラー被告とジョージアントイネ被告の裁判資料は、身分不特定により別途分けられていた。


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翻訳者:瀬戸慈弘
記事ID:50718