イスタンブルで開催が中止されたカリフ集会に判決

2021年04月05日付 Cumhuriyet 紙
イスタンブルで2017年にテロ組織ヒズブ・アッタフリールによって開催が計画されたが、県庁の介入により実現しなかったカリフ会議に関して審理中の裁判で4人へ懲役の判決が下された。裁判官・検察官連合の前会長オメル・ファルク・エミナーオールは、「テロ組織の構成員および指導者である」との罪状で起訴されたと述べて、「憲法を標的とした組織は、憲法を侵害したことで裁かれない。憲法を侵害したというような他の別次元も考慮して捜査が行われる必要がある。」 と述べた。

最高裁判所によってテロ組織と認定されたヒズブ・アッタフリールの報道機関である根本的変革(キョクリュ・デイシム)は、2017年5月5日に「世界でカリフ制はなぜ必要か。」という名のカリフ集会を行うことを望んだ。集会の呼びかけの際には、世俗主義と共和国を「悪魔の制度」と定義した。集会は県庁の決定によって実現せずに妨げられた一方、ヒズブ・アッタフリールのトルコ担当メディア局長マフムト・カルンを含む4人について裁判が開かれた。裁判で判決が言い渡された。カルは12年6月、ほかの3人アブドゥッラー・イマームオール、ムサ・ベイオール、オスマン・ユゥルドゥズは、6年3月収監される。

■声を挙げなければならない

問題の呼びかけについて告発した裁判官検察官連合の前会長エミナーオールは、判決について本紙に論評を行い、「ヒズブ・アッタフリールがカリフ制とシャリーアの実現を望むイスラム主義者のテロ組織である」ことについて議論はなかったと述べた。イスタンブルでの開催が望まれた集会が、行動の一部であり、そのため「実施されなかった集会を理由に処罰を受けたという主張が妥当ではなく」、「この組織のメンバーや指導者であるとの告発で処罰する方向に進んだ。憲法を標的とする組織は、憲法の侵害で裁かれない。しかし、憲法を侵害するといった別次元にも考慮して捜査する必要がある。」と述べた。同組織がアンカラの中心部で活動を行い、これに声を挙げなかったとするエミナーオール前会長は、「行政機関と司法機関がテロ組織に対して声を挙げず権限を行使せず、法的要請に距離を置いたことに注意を促したい。」と述べた。

■沈黙を保ってはならない

イスタンブルで開催が要請された集会より一年前、2016年にアンカラで凡そ5000人の人を集めてカリフ集会が実施されたが、この問題に関する捜査は現在も終了していないとするエミナーオール前会長は、司法関係者が捜査を妥当な期間内で、十分な証拠を集めて効果的に実施する必要があると指摘した。アンカラで集会が影響を喚起したと述べ、「捜査は未だ終了しておらず、法の独立について生じている問題が露呈している。一年後にイスタンブルで実施した者について結審が行われる一方で、同じ容疑者も参加したアンカラでの行動が結審しないのは、法の独立性に関する杞憂がどれほど正しいものかを再度示している。」と語った。

■子供達を利用

ヒズブ・アッタフリールがソシャル・メディアのアカウントから2月23日「廃止からヒジュラ暦で100年、子供達からカリフ制の喚起」との表現でビデオを公開した。ビデオの中では子供達は自己紹介する中、歴史的な名称を用い、その後「カリフ制なしの100年はもう十分。あームスリム達よ、あなた達に呼びかける、カリフ制を再興せよ」と述べた。このビデオはソーシャルメディアで反発を受けた。


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翻訳者:新井慧
記事ID:50869