チャムルジャタワーの360タワーカフェ・レストランの経営権が、エルドアン大統領の親族ハサン・イェシルダーのものとなった。イェシルダー氏は、アクシャム、スター、チャンネル24を買収してメディア事業に進出しているが、エルドアン大統領がかつて収監されていた際に“仕える”ために刑務所に行ったこともある。

ハサン・イェシルダーの名前は、エルドアン大統領がイスタンブル市長として在職した時期に収監された際に、仕えるために軽度の犯罪を行い、プナルヒサル刑務所へと入った友人として、一般の人々に記憶されている。

兄弟のゼキ・イェシルダーもイスタンブル広域市自治体（İBB）の議員であるが、ハサン・イェシルダーは、公正発展党（AKP）の政権下でトルコでは指折りの実業家の一人となった。
イスタンブル広域市が保有するウルス・カフェ、じゅうたん市場、水タバコカフェに続き、ヤプヤプ建設に与えられたアンカラアタテュルク文化センター（AKM）国民公園、リゼのイイデレ物流港をジェンギズ建設と共同で、そしてこれに続き今も先週発表のチャムルジャタワーのレストランとカフェの経営権を、これまでに獲得した。

チャムルジャタワーの最初の基礎は、ヌレッティン・ソゼン氏が市長であった時期に建築され、その後イスタンブル広域市（İBB）から取得され、PTT（郵便・電信の公社）に関連する株式会社であるタワー社に譲渡されました。PTTの持ち分のうち、ウェルスファンドが所有する50％の、タワー内にある360タワーカフェ・レストランは、入札なしでハサン・イェシルダーに譲渡されました。エルドアンがİBBの市長だった時期に、ウルス・カフェの経営を引き継いだイェシルダー氏は、後にクルチェシュメの多くのカフェを所有するようになった。一方、イェシルダー氏の家族は、カセド・エネルギー社を買収してエネルギー事業にも参入、続いてメディア部門に参入し、エセム・サンジャクが所有していたスター、アクシャム、チャンネル24を買収した。

イスタンブルの新たなシンボルとしてデビューしたタワーにあるレストラン・カフェの経営権の入札に関しては、PTTによるいかなる公開の入札発表は無かった。会計局の監査の対象外であるタワー社のカフェとレストランでは、1杯のスープが24 TL、2人分の朝食が180 TL、ウズガラ・キョフテ（焼いた肉団子）が62 TL、お茶が10TLで販売されている。

■ホールディングスに至るまでの道

エルドアン大統領が政治の舞台に出て来る前、実業界ではイェシルダー氏の家族の名前は知られていなかったが、今ではエネルギー、建設、娯楽・メディアのスポンサーとして多くの業界に投資を行うホールディングを所有する。最近では、アンカラのアタテュルク文化センターに建設された国民公園に加え、リゼにおいてメフメト・ジェンギズと共同でイイデレ物流港の運営権を買収した。ハサン・イェシルダーの名前は、一番初めには1979年2月1日に暗殺されたアブディ・イペックチの暗殺の際に現れた。その時は新聞にこのような形で掲載された。

ミリイェット紙（1979年3月9日）“昨年の12月にウスクダルにおいて爆弾と共に身柄を拘束された2名の理想主義者の取り調べの結果、ウスクダルとカドキョイで多くの事件の犯人が明らかとなり、アタテュルク教育研究所のファフレッティン・イェルマズ副所長を殺害したとされるハサン・イェシルダーとサフェット・アルヤスも逮捕された。”

ミリイェット紙（1979年3月31日）“エルジュメント・デミルとサバハッティン・ジベレクは、ÜGDのウスクダル支局の設立者であるハサン・イェシルダーから渡されたピストルでイスタンブルのさまざまな場所で強盗を行い、得たお金で刑務所にいる理想主義者を助けようとしていたが、警察のチームによって捕らえられた。”

■“兄よ、あなたも刑務所に入って”

ハサン・イェシルダーの名前は、エルドアンがプナルヒサル刑務所に入っていた時期に、広く知れ渡るようになった。ヒュセイン・ベスリとオメル・オズバイによって著された『レジェプ・タイイプ・エルドアン、あるリーダーの誕生』という名前の本において、エルドアンが刑務所内で暗殺されるだろうという情報を得た後の行動を、ハサン・イェシルダーは次のように説明している。「この得た情報をまず、イスタンブル広域市議員を務める自分の兄弟のゼキ・イェシルダーにも伝えた。いかなる手立てを講じることができるか考えたゼキは、遮り、兄よ、手をこまねいている必要はない。タイイプさんと一緒にあなたも一緒に刑務所に行って」と。

レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領のアメリカ訪問の際に、抗議グループとしばしば口論をしていたのも、プナルヒサル刑務所で刑務に服したハサン・イェシルダーの兄弟のゼキ・イェシルダーであった。イェシルダーは、刑務所でエルドアンに仕えながら、面会の予定を調整した人物であった。