ババジャン、エルドアンのソロス発言を揶揄

2021年12月25日付 Cumhuriyet 紙

DEVA党ババジャン党首は、利上げを擁護する者を「ソロス派」と呼ぶエルドアン大統領に、「ソロスが『ある程度の金を持ってこよう』と言えば彼を式典でもてなすだろう」と答えた。

民主進歩(DEVA)党のアリ・ババジャン党首は、レジェプ・タイイプ・エルドアン大統領の「利上げをしろと言う者はソロス派だ」とする発言に対し、大富豪の実業家ジョージ・ソロスと一緒に写っているエルドアンの写真をもって反発した。

ババジャンは、「アラブ首長国連邦が『金を持ってくる』と言って国家式典を催したのなら、あのソロスが『私がある程度の金を持ってこよう』と言えば彼を素晴らしい式典でもてなしたとしても不思議ではない。国の経済を弱体化させればあなたたちはこうやって窮地に陥るのだ」と述べた。

DEVA党アリ・ババジャン党首は、オスマニエ県党大会でスピーチした。ババジャンのスピーチをまとめると次の通り。

市民は最低生活水準以下の最低賃金で何とか暮らそうとしていた。最低賃金アップは疑いなく良いことであるが、その最低賃金は高インフレを前にとっくに溶け始めた。2022年を迎えて、3月、4月、5月、7月、12月と言っている間に私達は最低賃金がまた象徴でしかなくなるのを目にすることになるだろう。本来の問題はインフレ問題を解決することにある。問題の本質にインフレがある。あなたたちはこの生活苦を、物価高を止めることはできない、最低賃金を何とかして物価高に追いつかせることはできないのだ。来年同じことが起きる。また物価が先に駆けていき、最低賃金はその場にとどまるだろう。それは年末、2022年12月に最低賃金が物価にまた追いつこうとするまで。この問題の本質にはインフレ、生活難がある。

本当に、ここ数ヶ月だけをみても何をしたのかわからない。ドルレートが上がるなか、「我々はもとより競争力のあるレートを望んでいる」と言っていた。「中国モデルを採用する」と言っていた。今週レートが少し下落した途端、皆喜びのあまり踊り出した。高レートを、競争力のあるレートを望んでいたのはあなたたちではなかったのか?高レートがいいのか、安レートがいいのか決めてくれ。今週始めまであたかも自国産出・自国固有の通貨を無くすかのように働いた。どの好機に際しても「自国産出・自国固有」と言う政権は、自国産出・自国固有のものは何もかもどん底に落とした。

■レートが上がった分だけ損失が出る

金利を外貨と連携させた。これは70年代の失敗策だ。今は亡きトゥルグト・オザルがこの適用を廃止した。思い返せばつい今年の4月にエルドアンがオザルの墓の前でコーランを読んだ。ここからエルドアン氏に呼びかけたい、今週明けに行った発表を聞いたらオザルも浮かばれない。あなたはオザルが「大きな過ち」だと言った、「二度と起こらないことを願う」と言って警告した1970年代のひどい経済モデルを採用したのだ、2021年のトルコに刷新的な事かのように見せている、あなたたちがやっていることはこれだ。世界は宇宙に行き火星に行く、私たちは1970年代に逆戻りだ、「これをする、あれをするんだ」と話している。この間違った決定によって私たちの未来にどれほど大きな重荷を残すのか今は計算すらできない。この国民、政府が1970年代、80年代にあれだけ多くの代償を支払ったということは、これからどれほど大きな重荷、負債、代償がのしかかるのか今は計算することすらできない。この政府、国民は今後レートが上がった分だけ損失を受ける。

■もはやトルコリラは安全要素ではないとトップが告白している

このモデルは何なのかというと、預金者層、資産保有者層に「あなたたちは心配しないで、お金はトルコリラで持つように、ドルが上がった分だけその差額をあげます」と言っているのだ。先週最低賃金が発表された時に「最低賃金がドルで計算されることがあるか、ここはトルコだ」と言った。何百万人もの労働者、最低賃金をもらう市民に向かって「ドル口座を作らないように、トルコリラを備えるように」と言った。同じ人物が一週間後に出てきて、トルコリラ預金者に「不安になることはない、心配するな、あなたたちのお金をドルと連携させて、ドルと同じようにお金が手に入るようにしてあげよう」と言っている。これほどの矛盾があるか?この適用はトルコの金持ちと貧乏との間のギャップを広げるだけだ。「差額を補償する」と言っている。どこから補償するのか?国庫か中央銀行の金庫からだ。つまり国民から集めた税金からこの差額を補償するのだ。どの銀行ももともと預金の約3分の2は外貨、3分の1がトルコリラだった。残りの3分の1のトルコリラも「それも外貨に連動させる」と言った。つまり預金と言っているのはもはやトルコでは外国通貨のみ、彼らの頭ではトルコリラは残らない。もはやトルコリラに安全要素はないと白状しているトップと私たちは直面している。自国経済に対する信頼をアメリカ通貨で保とうとするトップの知性について話しているのだ。

銀行規制監督機関(BDDK)データによれば、2日間で市民はさらに17億ドルの外貨を購入し銀行口座に入金したそうだ。エルドアン氏に偽りの勝利を作り出すためだけに中央銀行に裏口から外貨を売らせた。数字は月曜と火曜だけで70億ドルだ。レート下落のため裏口から70億ドルを惜しげなく売ったのをあなたたちはなぜ発表しないのか?どうしても私たちが見つけて言わないといけないのか。なお国の資産を費やしてドルに圧力をかけようとしている。このやり方の終末が貧困、インフレであることを何度も何度もやってもわからないのか?中央銀行が裏口から介入してレートを下げようとする一方、市民はドルを買い銀行のドル預金が増えている。」

■「今日100リラ借りて毎年25ずつ返済」

ババジャンは「彼らの言う事すべてを鵜呑みにしないように。有識者と話してその後何をするか決めるように」と述べた。ババジャンは次のように続けた。

「指示を受け中央銀行が下げさせた、中央銀行が一夜限り、一週間限りの短期で取っている金利についてエルドアンは話している。『19%から14%に下げた、5ポイント下げた、明白だ』と言っている。中央銀行の金利を5ポイント下げたようだが、同時に国庫の借入れ金利を8ポイント上げたそうじゃないか。国庫の借入れ金利に関する明白さはないのか?トルコ共和国国庫が5%で借り入れしたら25%を5年間で支払うことになる。今日100リラ借りて毎年25ずつ返済することになる。」

■「国の経済を弱体化させればこうやって窮地に陥るのだ」

ババジャンはエルドアン大統領の「今『利上げをしろ』と言う者に、ゲズィ扇動者を解放しろと言う者に気をつけろ、彼らは同類だ。ソロス派だ」という発言に反発した。

大富豪の実業家ジョージ・ソロスとエルドアンが一緒に写っている写真を見せたババジャンは次のように述べた。

「問題はソロスうんぬんではない。問題は今週の敵のボードだ。言ってしまえば今週の敵はソロスだったらしい。しかし面白いことにソロスがもし出てきて『50-100億ドル持ってこようか』と言うならばすぐに友人になるだろう。私たちはそれを目の当たりにした。ソロスと何度も会っているのは彼、国庫の借入れ金利をたった9月から今までに17から25に上げたのも彼だ。国庫は従属しているもので、中央銀行のように独立してはいない。国庫は直接の指示で動く。自身に直接属している機関の金利を17から25に上げたのだ。前にもあった。アラブ首長国連邦は敵だと言っていなかったか?彼らを7月15日の反逆クーデター未遂の支援者だと言っていなかったか?その後皇太子が訪れたら国家式典でもてなした。アラブ首長国連邦が『金を持ってくる』と言って国家式典を催したのなら、あのソロスが『私がある程度の金を持ってこよう』と言えば彼を素晴らしい式典で迎えたとしても不思議ではない。国の経済を弱体化させればあなたたちはこうやって窮地に陥るのだ。」


この記事の原文はこちら
原文をPDFファイルで見る

同じジャンルの記事を見る


翻訳者:安井 悠
記事ID:52046