トルコ−ギリシャ関係修繕に向けた決定が明らかに

2022年03月15日付 Milliyet 紙

2022年春の関係修繕外交枠組みの中で、トルコと問題を抱える一部の国々のうち、二つの歴史的隣国であるアルメニアとギリシャと共に重要な歩みが踏み出された。

アイドゥン・ハサン/アンカラ−トルコとギリシャの関係はしばしば冷え込んできたが、近年ではエーゲ海の両側にアタテュルクとヴェニゼロスが1930年代に築いたような雰囲気を作り出すために努力が行われている。トルコとギリシャの関係において、1999年以来協業と対話が第一とされる新たな時代が始まった。トルコの姿勢を象徴する訪問が2017年12月7、8日にレジェップ・タイイプ・エルドアン大統領によって行われた。エルドアンは、第3代大統領ジェラル・バヤルが1952年にギリシャを訪問してから65年ぶりにギリシャにトルコから大統領レベルの訪問が初めて行われた。しかしながら2018年以降は、両国間の前向きな状況に影が差していた。

■2016年に停止された
トルコとギリシャの間で2002年から2016年までに60回の模索会議が行われた。会議では、当時のギリシャ首相のアレクスィス・チプラス政権の消極的な態度のために2016年に停止された。しかしながら2021年以降の会議を、「模索」として継続する決定がなされた。会議の61回目はイスタンブル、62回目はアテネで、63回目がアンカラで行われた。64回目の会議はアテネで2月22日に行われた。ロシアによるウクライナに対する侵略と最近とられた方策ののち、ギリシャ首相のキリアコス・ミツォタキスは、前日にイスタンブルへ研修訪問を行った。エルドアンとミツォタキスがネクタイなしでおこなった会見で、両国間の関係を改善するための歩みが進められた。関係修繕の歩みがその枠組みの中で進められている状況においてトルコ−ギリシャ高位協力評議会会議が秋にギリシャで行われることが計画されている。

■イスタンブル−テッサロニキ高速鉄道計画
両国間で実現が計画されているいくつかのプロジェクトの概略は以下の通り。

・2カ国間の貿易額をまず70億、そして100億ドルにする。
・イズミルとテッサロニキの間に貨物と旅客運搬を行う船舶の運行を始め、イスタンブルとテッサロニキの間に高速鉄道を建設する計画。
・イプサラ−キピ国境に二つ目の高速道路を建設する。
・2カ国間の航空便路線を増加させる。
・イスタンブルに居住するギリシャ系のトルコ国籍者と、西トラキアのトルコ系少数民族とドデカネス諸島に居住するギリシャ国籍のトルコ人の教育と宗教に関する問題。
・ギリシャのトルコ、オスマン文化遺産、トルコのギリシャ文化遺産を守り次の世代に残すこと。

■「基礎を形成できたと信じている」
ミツォタキスはエルドアンとの会見ののち、在イスタンブル・ギリシャ総領事館に移動し、バルトロメオス・コンスタンティノープル大司教と会見した。ギリシャ首相府からの公表によると、ミツォタキスはバルトロメオスにエルドアンと前向きで誠実で忌憚のない会見を行ったと述べた。ミツォタキスは「NATO加盟国の2カ国として、このような時代にそのような非常に共通した問題に対面している。そのため我々を分断する問題から我々を一体化させるこの問題に協業していくことがより重要になることになると合意した。2カ国関係を改善することと、特に現在対面している大きな問題に関して協業するために基礎を形成できたと信じている。再びウクライナで民間人が命を奪われているところを見ている。我々はこの問題に対処しなければならない」と述べた。


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翻訳者:岩田和馬
記事ID:52955