アシュレ、世界最古のお菓子

2022年04月13日付 Cumhuriyet 紙

新聞記者のポール・ベンジャミン・オスターランド氏は、トルコにおけるアシュレの歴史や文化、アシュレが象徴するものを調査した。

ひよこ豆とインゲン豆は、一般的にあまり合わないと考えられているかもしれない。しかし、この二つは、世界で最も古い ―そして最も美味しいという人もいる― スイーツの最も重要な材料である。

1月、気温が低く霧雨が降るイスタンブルのクルトゥルッシュ地区にあるスイーツ屋さんで、私は何か気分が良くなるようなものを探していた。焼ライスプディングやミルクを用いたスイーツで有名なスイーツ店では、人々が知る限りで最古のスイーツ、アシュレも販売していた。

イスラームの言い伝えによると、アシュレは、預言者ノアが洪水から救われ家族と共にアララト山にたどり着いたことを祝福するために作られたものだという。伝説では、穀物、果物、ナッツ、豆といった10種類に近い材料で作られるアシュレの豊穣さは、ノアの箱舟に残った全ての物を合わせて出来上がったと伝えられている。

出来上がったアシュレは、ほのかな甘みや濃厚な味わい、そして細かいフルーツの味が混ざった、健康的で塩気のあるおやつとなる。ホットで召し上がる場合には心身が温まり、冷たい状態ではクリームのような濃厚さを味わうことができる。

アシュレには世界最古のスイーツという名誉があるのに加え、今日のアナトリアではたいへん重要な位置を占めている。

アシュレは、アラビア語で「10」を意味し、イスラーム暦の初月であるムハッラムの10日目を示すために用いられる。人々は今週、各家庭でアシュレを作り、友人、親戚、近所の人達に配る。

(後略)


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翻訳者:金子萌
記事ID:53267