最高裁、CHPイスタンブル支部長カフタンジュオールへの有罪判決を承認—実刑4年

2022年05月12日付 Cumhuriyet 紙

最高裁判所はCHPイスタンブル県支部長のジャナン・カフタンジュオール氏の3つの裁判で下された有罪判決を承認し、2つの判決については棄却した。CHPの副党首であるギュリザル・ビチェル・カラジャ氏は、SNSのTwitterからの投稿で「政治活動は禁止されたが、憲法裁判所への申請の権利はある。」と話した。カフタンジュオール氏は行った初めてのコメントでは、以下のように話した。「私たちは、権力における悪事を追放するまで、この国で私自身のためだけではなく、8400万人の国民のために法と法の優位を確実なものとするまであらゆる形で戦い続けます。決して希望を失わないでください。」

CHPイスタンブル県支部長のジャナン・カフタンジュオール氏に対し、SNSの投稿を理由として、「公務員に対する職務的な侮辱」「トルコ共和国政府への公共の場での侮辱」「大統領への侮辱」の罪で4年11カ月20日の実刑が最高裁判所によって承認された。

最高裁判所第3刑事小法廷は、カフタンジュオール氏がイスタンブル第37重罪裁判所で裁判にかけられ、2019年9月6日に有罪判決が出された訴訟の上訴調査を終えた。

小法廷は、カフタンジュオール氏に対し、「公務員に対する職務的な侮辱」の罪で1年6ヶ月20日の実刑、「トルコ共和国政府への公共の場での侮辱」の罪による1年8カ月の実刑判決を、法に規定された罪の基準に即しているとの理由で承認した。また、「大統領への侮辱」罪による2年4カ月の実刑については、1年9ヶ月と修正のうえ、承認した。

カフタンジュオール氏に対する「PKK/KCK武装テロ組織のプロパガンダ行為」罪による1年6カ月の実刑と、「国民の悪意と敵意を公共の場で刺激する」罪による2年8カ月の実刑については、小法廷によって棄却された。

■政治活動禁止の決定

CHP副党首のギュリザル・ビチェル・カラジャ氏はTwitterで以下のように述べた。「イスタンブルを失うことを受け入れられない者たちの法外な決定である。私たちはイスタンブル支局長の味方だ。政治活動は禁止されたが、憲法裁判所への申請の権利はある。収監の決定については確認中である。刑務所に入らないかもしらないし、入っても出ることになるかもしれない。」

■犯罪要素はないことが明らかに

カフタンジュオール氏のSNSの投稿と、あるテレビチャンネルでの発言を理由に「PKK/KCK武装テロ組織のプロパガンダ行為」の罪で罰せられる可能性のあった決定で、これらの行為が前述の罪の要素には当たらないことが明らかにされた。

判決では、「テロ組織のプロパガンダ行為の罪に問うためには、テロ組織に関係する主義、思想もしくは信念を他人へ紹介し、採用されること、または流布する目的で行われた事柄の際に、テロ組織の強制的で脅迫的な方法を正当化させ、この方法を賞賛もしくは適用することを助長するような形で行ったことが必要とされる。」と述べられた。

「国民の悪意と敵意を公共の場で刺激する」罪の見解に関しては判決で、批判的な人格で知られるカフタンジュオール氏のSNSでの投稿を調査したところ、指摘されているような罪の要素はなかったことが明らかにされた。

■「権力における悪事を追放するまで」

カフタンジュオール氏は、最高裁判所の判決に関してSNSのTwitterに投稿をした。カフタンジュオール氏のコメントは以下のとおりである。

「最高裁判所から判決が出たとの知らせを聞きました。ここでの問題は私に対しどのような罰が与えられたかではなく、この問題の先に、この国で法がどの程度のものであるのか、法外なことが私たちにもたらしている不当な扱いです。このせいで心配をかけた皆さんにはこう伝えたいです。私たちは、権力における悪事を追放するまで、この国で私自身のためだけではなく、8400万人の国民のために法と法の優位を確実なものとするまであらゆる形で戦い続けます。決して希望を失わないでください。」

■「共にいるだろう」

カフタンジュオール氏のビデオ付きの投稿では、「故郷に春が来たようだ。決して立ち止まったり、気分が沈んだり、疲れることはない。どこにいたとしても、努力を続け、願いを正当化し、権力における悪事を共に追放し、法の優位を確立するとき、共にいましょう。」と述べられた。


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翻訳者:大畠梨紗子
記事ID:53430