シリア:自らの支配力強化を目指し「その他の過激派組織」の排除を試みるシャーム解放機構

2021年07月05日付 その他 - al-Hurra.com 紙

■シャーム解放機構のジャウラーニー指導者が自らの支配力強化を目指し、協力関係にあった「その他の過激派組織」の排除へと向かう

【アル=フッラ】

シリアのイドリブ県でアサド政権軍とロシアによる爆撃が激化するなか、「シャーム解放機構」(旧:テロ組織「ヌスラ戦線)の指導者であるアブー・ムハンマド・ジャウラーニー氏は自身の内的な支配力を強化しようと試み、2015年3月に同県を支配下に置いて以来、多大な協力関係にあった他の「過激派」組織らを排除し始めた。

対象となった過激派組織のなかには、そのほとんどの戦闘員がチェチェン出身であり、ムラド・マルゴシュヴィリ氏(過激派界ではムスリム・アブー・ワリード・シーシャーニーとして知られる)によって率いられる、いわゆる「ジュヌード・シャーム」が挙げられる。同氏はジョージアで暮らしていたチェチェン系民族の出身者である。

2012年に発足が発表された同組織は、主にラタキア県北部郊外とイドリブ県西部郊外にある軍事戦線内で活動している。

ここ数年の間、同組織はラタキア県内で発生した最初の戦闘から、アレッポ市内の「アレッポ中央刑務所」での戦闘、そして昨今ではイドリブ県での戦闘にいたるまで、多くの「大規模戦闘」においてシャーム解放機構と協力してきた。

大局的な観点からいえば、「国際テロリスト」として指定されているジャウラーニーは、ジュヌード・シャームを排除しに向かう可能性が高い。とはいえこうした動きが、「同組織の内部において『ほぼ通例』となった経路を採用することにすぎない」ことには注意を払う必要がある。

なぜならこうした動きはイドリブ県内でとられた初の措置ではなく、シャーム解放機構はこれ以前にも、同一の信条や「手段」を共有するその他の組織を、それが「中程度」であるか「過激派」であるかによらず、排除してきた実績があるからである。

2年前からシャーム解放機構の対内外政策、特に対外政策に生じた変化には特に着目する必要がある。つまり同機構の指導者ジャウラーニー氏は、国際舞台のなかで、これまで幾年にもわたってテロリスト的な慣行を実行してきた自組織を「穏健な組織」として映し出すことを試みたのである。以上の内容は、過激派の専門家の一人が、本ウェブサイトに対して語ったことである。

(後略)


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翻訳者:国際メディア情報センター
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